【問6】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|法令の効力範囲
法体系・取引の基礎 問6/40難易度B(標準)
問題文
法令の効力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.法令は公布されると同時に施行され効力を生じるのが原則である。
- 2.刑罰法規は実行行為時の法律ではなく現在の法律で処罰できる。
- 3.法令は原則として施行後の事実にのみ適用され、過去の事実には遡及しない。
- 4.条例は当該地方公共団体外の地域でも効力を有する。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
法令は公布(官報掲載)と施行(効力発生)が異なります。多くの法令は公布から一定期間後に施行されるか、附則で施行日を定めています。
選択肢2 → ❌
憲法39条は「実行のときに適法であった行為」に対する事後法による処罰を禁止しています(刑罰不遡及の原則)。実行行為時の法律で処罰されます。
選択肢3 → ✅
法令は施行後の事実にのみ適用されるのが原則(法令不遡及の原則)です。これは法的安定性と予測可能性を保障するためで、特に刑罰法規では憲法上の要請です(憲法39条)。
選択肢4 → ❌
条例は当該地方公共団体の区域内でのみ効力を有します(地方自治法14条)。他の地方公共団体の住民には適用されません。
背景知識
法令の効力範囲には時間的効力・場所的効力・人的効力の三つの観点があります。時間的効力では「不遡及の原則」が重要で、特に刑罰法規については憲法39条で事後法処罰が禁止されています。民事法令でも原則として遡及効はありませんが、附則で経過措置として遡及適用を定める例もあります。場所的効力では、法律は原則として日本全土に効力を有しますが、条例は当該自治体内のみ、特別法は特定地域のみに効力を有します。人的効力では、属地主義(その国の領域内の人すべてに適用)が原則ですが、属人主義(国民にのみ適用)の場面もあります。
学習アドバイス
公布と施行の違い、刑罰不遡及の原則(憲法39条)を必ず押さえましょう。条例は当該自治体限定、法律は全国適用という違いも頻出です。
まとめ
- 法令は施行後の事実にのみ適用(不遡及の原則)
- 刑罰不遡及は憲法39条で保障
- 条例は当該地方公共団体内のみ効力