【問232】知的財産管理技能検定3級 練習問題|営業秘密の取得と使用の独立性
不正競争防止法 問15/15難易度C(難しい)
問題文
不正な手段で営業秘密を取得した者が、1年経過した後に初めてその営業秘密を実際に使用した。法的責任について最も適切な説明はどれか。
- 1.取得から一年経過しているため、使用の責任は問われない。
- 2.不正取得とその後の使用は、それぞれ別個の不正競争となる。
- 3.違法なのは最初の取得だけで、その後の使用は適法となる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
不正競争防止法2条1項4号は取得行為と使用行為を並べて不正競争としており、1年程度の経過で使用行為の違法性がなくなることはない。使用行為の差止請求権の時効も同法15条により知った時から3年・行為開始から20年である。
選択肢2 → ✅正解
不正競争防止法2条1項4号は「不正の手段により営業秘密を取得する行為(営業秘密不正取得行為)」と「営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為」を並列に定めている。したがって取得後に時間をおいて使用しても、その使用は独立した不正競争として差止め(3条)や損害賠償(4条)の対象となる。
選択肢3 → ❌誤り
4号は不正取得により取得した営業秘密の使用自体を不正競争としているため、使用行為が適法になることはない。むしろ使用が継続すれば損害も拡大する。
背景知識
不正競争防止法2条1項4号は、不正の手段による営業秘密の取得(営業秘密不正取得行為)と、それにより取得した営業秘密の使用・開示とを並べて不正競争としている。つまり取得・使用・開示はそれぞれ独立した行為類型であり、取得から時間が空いてから使用した場合でも、その使用行為を捉えて差止めや損害賠償を請求できる。なお、取得後に不正取得行為の介在を知って使用・開示する事後的悪意の類型は6号が別に規定している。
学習アドバイス
営業秘密の侵害類型は、行為(取得・使用・開示)と主観(不正取得か、悪意重過失か、事後的悪意か)の組合せで4号から9号に整理されている。まず4号の条文構造で「取得」と「使用・開示」が並んでいることを確認しておくこと。
まとめ
- 2条1項4号は「不正取得」と「不正取得した営業秘密の使用・開示」をいずれも不正競争とする。
- 取得から時間が経ってからの使用も、独立した不正競争行為として責任を負う。
- 使用行為に対する差止請求権には、15条の時効(知った時から3年・行為開始から20年)がある。