【問161】知的財産管理技能検定3級 練習問題|専用実施権の設定
知財実務 問1/40難易度A(易しい)
問題文
製薬会社A社は、自社が特許権を保有する新薬製造方法について、B社に独占的に実施させたいと考えている。A社の法務担当者甲が専用実施権の設定について発言した次のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.専用実施権を設定するには、特許庁への登録が必要であり、登録しないと効力が発生しない。
- 2.専用実施権は契約さえあれば登録しなくても第三者に対抗できる。
- 3.専用実施権を設定した後も、特許権者A社は自由に当該発明を実施できる。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
特許法第98条第1項第2号により、専用実施権の設定・移転・変更・消滅は、登録が効力発生要件とされています。登録しなければ専用実施権としての効力は発生しません。
選択肢2 → ❌誤り
専用実施権は登録しなければそもそも効力が発生しないため、第三者対抗以前の問題です。
選択肢3 → ❌誤り
専用実施権を設定した範囲内では、特許権者自身も実施できなくなります(特許法第68条ただし書)。
背景知識
特許権のライセンスには専用実施権と通常実施権があります。専用実施権は物権的な権利で、設定された範囲内では独占排他的な実施権となり、特許権者自身も実施できなくなります。また、登録が効力発生要件であり、特許庁の登録原簿に記載されなければ効力を生じません。一方、通常実施権は債権的な権利で、登録は不要であり、当事者間の契約のみで成立します。平成23年改正により通常実施権は登録なしでも当然対抗力を持つようになりました。
学習アドバイス
専用実施権と通常実施権の違いは頻出論点です。特に登録の要否、対抗要件、特許権者自身の実施可否について整理して覚えましょう。
まとめ
- 専用実施権は登録が効力発生要件
- 設定範囲内では特許権者も実施不可
- 通常実施権は登録不要で当然対抗力あり