【問160】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|電子記録債権
商法・会社法 問40/40難易度C(難しい)
問題文
電子記録債権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.電子記録債権は、電子債権記録機関の記録原簿への発生記録により発生する金銭債権である
- 2.電子記録債権は、紙の手形を電子データ化したものに過ぎない
- 3.電子記録債権の譲渡には、必ず紙の証書交付が必要である
- 4.電子記録債権制度は、手形法を直接適用して規律されている
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
電子記録債権法第15条により、電子記録債権は電子債権記録機関の記録原簿への発生記録により発生します。
選択肢2 → ❌
電子記録債権は手形のデジタル化ではなく、独自の権利概念です。
選択肢3 → ❌
譲渡記録のみで譲渡可能で、紙の証書は不要です。
選択肢4 → ❌
電子記録債権は独自の電子記録債権法(2007年公布、2008年施行)により規律されます。
背景知識
電子記録債権は2008年施行の電子記録債権法により創設された新たな金銭債権類型で、電子債権記録機関の記録原簿への電子記録により発生・譲渡・消滅する債権です。代表的記録機関に「でんさいネット」(全国銀行協会運営)があり、企業間決済で広く利用されています。手形・指名債権の問題点(紛失・盗難・コスト・分割困難等)を解決し、流動性と安全性を両立する制度として設計されました。特徴として、(1)記録原簿への記録が権利発生・移転要件、(2)分割譲渡が容易、(3)善意取得・人的抗弁切断等の流通保護規定、(4)二重譲渡リスクなし、(5)印紙税不要、等があります。政府は2026年までに約束手形利用廃止を方針として示しており、電子記録債権がその受け皿として期待されています。
学習アドバイス
電子記録債権法独自の制度であること、記録機関の電子記録が権利発生要件であることが要点です。手形と比較した利点(分割譲渡容易・印紙税不要・善意取得保護等)も押さえましょう。「でんさい」という実務用語も覚えてください。
まとめ
- 電子記録債権は電子記録債権法の独自制度
- 記録原簿への発生記録で権利発生
- 分割譲渡容易・善意取得保護あり