【問72】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|抵当権の効力
民法(物権) 問1/4難易度A(易しい)
問題文
抵当権の性質と効力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.抵当権者は抵当不動産を占有し使用収益することができる
- 2.抵当権は設定者の使用収益を制限しない非占有担保物権
- 3.抵当権の対抗要件は、債務者への通知である
- 4.抵当権は、目的物に付加して一体となった物には及ばない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
抵当権は非占有担保であり、抵当権者は目的物を占有しません(369条1項)。この点が質権との大きな違いです。
選択肢2 → ✅正解
民法369条1項は「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
抵当権の対抗要件は登記です(177条)。物権変動一般のルールが適用されます。
選択肢4 → ❌誤り
民法370条本文は「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ」と規定しています(付加一体物への効力)。
背景知識
抵当権は不動産を目的とする非占有担保物権で、担保提供者に占有を残しつつ、債務不履行時に競売により優先弁済を受けられる仕組みです。これにより、不動産の利用と担保が両立し、住宅ローンや事業資金融資の主要な担保として機能しています。抵当権の対象は不動産のほか地上権・永小作権(369条2項)、登記された船舶・自動車等(特別法)です。付加一体物(370条)、果実(371条)、物上代位(372条→304条)等の規律により広範に効力が及びます。
学習アドバイス
抵当権は3級の頻出論点です。「非占有担保」「優先弁済」「登記対抗」の3つを基本として押さえ、付加一体物・果実・物上代位といった効力範囲も整理しましょう。
まとめ
- 抵当権は非占有担保物権(369条1項)
- 対抗要件は登記(177条)
- 付加一体物にも効力が及ぶ(370条)