【問75】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|物上代位
民法(物権) 問2/4難易度B(標準)
問題文
抵当権の物上代位に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.物上代位は賃料等にも及び、払渡し前の差押えを要する
- 2.物上代位は、目的物が滅失した場合のみ認められる
- 3.物上代位を行使するには、差押えは不要である
- 4.抵当権者は賃料債権に対して物上代位することはできない
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
民法372条は「304条の規定は、抵当権について準用する」と規定し、304条1項は「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」と規定しています。
選択肢2 → ❌誤り
物上代位は売却・賃貸・滅失・損傷の各場合に認められます(304条1項本文)。
選択肢3 → ❌誤り
払渡しまたは引渡しの前の差押えが要件です(304条1項ただし書)。
選択肢4 → ❌誤り
判例(最判平元・10・27)は抵当権の賃料債権への物上代位を認めています。
背景知識
物上代位は、担保物権の効力が目的物の価値変形物に及ぶ仕組みで、抵当権、先取特権、質権に共通します。賃料債権、保険金請求権、損害賠償請求権、売却代金等が代位対象となります。差押えの要件については、判例(最判平10・1・30、最判平10・3・26)が「第三債務者保護説」を採り、二重弁済の危険から第三債務者を保護するための要件と解しています。賃料への物上代位は、不動産執行が抑止された担保不動産収益執行(民事執行法180条以下)と並ぶ重要な権利実行手段です。
学習アドバイス
物上代位は抵当権の重要論点です。「売却・賃貸・滅失・損傷」の4類型と「払渡し・引渡し前の差押え」要件をセットで覚えましょう。賃料への物上代位は判例頻出です。
まとめ
- 物上代位は売却・賃貸・滅失・損傷時の代金等に及ぶ(372条・304条)
- 払渡し・引渡しの前に差押えが必要
- 賃料債権にも物上代位可能(判例)