【問503】貸金業務取扱主任者 練習問題|多重債務者対策
問題文
ヤミ金融(無登録業者)対策および関連規制に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1.ヤミ金融業者(無登録で貸金業を営む者)から借り入れた元金は、借主に返済義務があるが、その利息については貸金業法違反を理由に支払義務がない。
- 2.出資法に定める上限金利を超える金利での貸付けは刑事罰の対象となり、年109.5%を超える金利で個人に貸付けを行った業者は超高金利貸付けとしてより重い罰則が適用される。
- 3.ヤミ金融対策として、警察・金融庁・消費者庁が合同で取り締まりを行うことが貸金業法に明記されている。
- 4.ヤミ金融業者から受け取った金銭については、不当利得として全額返還を請求できるが、精神的苦痛に対する慰謝料の請求はできない。
解説
正解
正解は選択肢2です。出資法の超高金利規制(年109.5%超への加重罰則)は実際に定められており、正確な記述です。
各選択肢の解説
選択肢1「元金は返済義務あり、利息は不要」→ ❌誤り
最高裁判所の判例(平成20年判決等)において、ヤミ金融業者からの貸付けは公序良俗(民法第90条)に違反する不法な契約として、元金・利息を含む全体が無効と解される場合があります。そのため元金についても返済義務がないと解釈される場合があり、「元金は返済義務がある」と断定する選択肢1は不正確です。
選択肢2「出資法の超高金利(年109.5%超)に重罰規定」→ ✅正解
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)第5条第3項において、年109.5%(日次計算では日歩30銭)を超える金利での貸付けについては、より重い罰則(10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金)が規定されています。通常の上限金利(年20%)違反よりも重い罰則です。
選択肢3「合同取締りが貸金業法に明記」→ ❌誤り
警察・金融庁・消費者庁の合同取締りが「貸金業法に明記されている」という事実はありません。ヤミ金融対策は複数の機関が連携して取り組んでいますが、合同取締りの義務を貸金業法が直接規定しているわけではありません。
選択肢4「慰謝料請求はできない」→ ❌誤り
ヤミ金融業者から不当な取立てや脅迫等の被害を受けた場合、元金・利息の返還(不当利得返還請求)に加え、身体的・精神的苦痛に対する**慰謝料の請求(不法行為に基づく損害賠償)**も可能です。「慰謝料請求はできない」という記述は誤りです。
背景知識
出資法の上限金利と罰則を整理します。
| 金利の区分 | 対象 | 罰則 |
|---|---|---|
| 年20%超〜109.5% | 業者の貸付け | 5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金 |
| 年109.5%超 | 業者の貸付け | 10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金(加重) |
ヤミ金融被害者は、法テラスや弁護士に相談することで、元金を含めた支払済み金額の返還請求が可能な場合があります。
学習アドバイス
「ヤミ金融からの借入れは元金も含めて返済不要(公序良俗違反による契約無効)」という判例の立場と、出資法の年109.5%超への加重罰則は難易度Cでは頻出の知識です。正確な数値と法律名を整理して覚えましょう。
まとめ
- ヤミ金融からの貸付けは公序良俗違反で元金も返済不要となる場合あり
- 年109.5%超の金利は出資法で加重罰則の対象
- ヤミ金被害者は不当利得返還だけでなく慰謝料請求も可能