【問502】貸金業務取扱主任者 練習問題|多重債務者対策
資金需要者等の保護 問82/84難易度B(標準)
問題文
多重債務者が利用できる債務整理手続に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- 1.任意整理は、弁護士または司法書士が債権者と直接交渉して借金の減額や分割払いを取り決める手続きであり、裁判所を利用しない。
- 2.特定調停は、簡易裁判所を利用した調停手続きであり、債務者が自ら申立てを行うことができる。
- 3.個人再生手続は、住宅ローン残債の保護(住宅資金特別条項)を利用することで、自宅を手放さずに債務を整理できる場合がある。
- 4.自己破産の申立てにより免責が認められると、すべての債務が消滅するため、養育費・税金等の公租公課も含めてすべて支払義務が免除される。
解説
正解
正解は選択肢4です。自己破産の免責は、養育費・税金等の一定の債務には及びません。
各選択肢の解説
選択肢1「任意整理は裁判所を利用しない交渉」→ ✅正解(誤りではない)
任意整理は、弁護士や司法書士が代理人として債権者(金融機関等)と直接交渉し、利息のカットや返済計画の見直しを取り決める手続きです。裁判所を通さずに行われるため、手続き期間が比較的短く費用も抑えられることが特徴です。
選択肢2「特定調停は簡易裁判所・本人申立て可」→ ✅正解(誤りではない)
特定調停(特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律)は、簡易裁判所に申立てを行う調停手続きです。弁護士等の代理人がいなくても、債務者本人が申立てることができ、費用が低廉なことが特徴です。
選択肢3「個人再生で住宅を維持できる場合あり」→ ✅正解(誤りではない)
民事再生法の個人再生手続には「住宅資金特別条項」が設けられており、住宅ローンを継続して支払うことを条件に、自宅(住宅)を手放さずに他の債務を大幅に圧縮できる場合があります。
選択肢4「免責で養育費・税金もすべて免除」→ ❌誤り
破産法第253条において、免責が認められても「非免責債権」として残る債務が列挙されています。具体的には、①養育費・婚姻費用等、②税金・公共料金等の公租公課、③罰金・過料等、④詐欺・故意による不法行為に基づく損害賠償などは免責の効力が及ばず、支払義務が残ります。
背景知識
主な債務整理手続の比較表を整理します。
| 手続き | 利用機関 | 特徴 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 裁判所不要 | 弁護士・司法書士が交渉。最も柔軟 |
| 特定調停 | 簡易裁判所 | 本人申立て可、費用が安い |
| 個人再生 | 地方裁判所 | 住宅維持可能、債務圧縮 |
| 自己破産 | 地方裁判所 | 免責で多くの債務消滅(非免責債権あり) |
学習アドバイス
自己破産の「非免責債権」(養育費・税金等は免責されない)は試験頻出の知識です。「すべての債務が消滅する」という表現には注意し、非免責債権の存在を必ず確認しましょう。
まとめ
- 自己破産の免責は非免責債権(養育費・税金等)には及ばない
- 個人再生では住宅資金特別条項で自宅を維持できる場合あり
- 特定調停は簡易裁判所への本人申立て可能