【問501】貸金業務取扱主任者 練習問題|多重債務者対策
資金需要者等の保護 問81/84難易度B(標準)
問題文
貸金業法に定める総量規制と多重債務問題の関係に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1.総量規制は、個人の借入残高が年収の3分の1を超える貸付けを原則として禁止するものであり、多重債務の発生を抑制する目的がある。
- 2.総量規制は、貸金業者からの借入れだけでなく、銀行や信用金庫からの借入れも合算して計算される。
- 3.総量規制の除外貸付けには、不動産購入のための貸付けが含まれるが、医療費を賄うための貸付けは含まれない。
- 4.個人が複数の貸金業者から借入れをしている場合、各貸金業者は他社の借入残高を確認する義務がないため、総量規制の合算計算は各社が独立して行う。
解説
正解
正解は選択肢1です。総量規制は年収の3分の1を超える貸付けを原則禁止するものであり、多重債務の発生抑制を目的としています。
各選択肢の解説
選択肢1「年収の3分の1超の貸付けを禁止・多重債務抑制目的」→ ✅正解
貸金業法第13条の2において、個人顧客への貸付けについて、当該顧客の年収等の3分の1を超える貸付け契約は原則として禁止されています(総量規制)。この規制は、借入過多による多重債務の発生を抑制する目的があります。
選択肢2「銀行・信用金庫の借入れも合算」→ ❌誤り
総量規制の計算対象となるのは、貸金業者からの借入れです。銀行・信用金庫・信用組合等からの借入れは貸金業法の規制外であり、総量規制の合算対象には含まれません。これは総量規制の重要な限界の一つです。
選択肢3「医療費のための貸付けは除外に含まれない」→ ❌誤り
総量規制の除外貸付け(貸金業法施行規則第10条の23)には、「医療費、介護費用その他の個人の緊急の需要を賄うための貸付け」(緊急の医療費等)も含まれます。医療費を賄うための貸付けは除外貸付けに該当し、総量規制の対象外となる場合があります。
選択肢4「他社の借入残高確認義務なし」→ ❌誤り
貸金業法第13条第1項により、貸金業者は資力調査(返済能力調査)を行う義務があります。指定信用情報機関(CIC・JICC等)の信用情報を照会することで他社の借入残高を確認することが義務付けられており、各社が独立して計算するだけでは不十分です。
背景知識
総量規制に関する主なポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 規制対象 | 貸金業者(消費者金融・クレジット会社等) |
| 基準 | 年収(または収入)の3分の1 |
| 除外貸付け | 不動産購入・医療費・事業資金等 |
| 確認手段 | 指定信用情報機関(JICC・CIC)の照会 |
2010年の貸金業法完全施行に伴い総量規制が導入され、多重債務者数は大幅に減少しました。
学習アドバイス
総量規制の「年収の3分の1」という基準と、「銀行借入れは対象外」という限界の両方を押さえましょう。除外貸付けの具体例(不動産・医療費等)も確認しておきましょう。
まとめ
- 総量規制の基準は年収の3分の1
- 銀行・信用金庫の借入れは対象外(貸金業者のみ)
- 他社借入残高は指定信用情報機関照会により確認義務あり