【問498】貸金業務取扱主任者 練習問題|景品表示法の具体例
問題文
貸金業者が行う広告表示と景品表示法・貸金業法の規制に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者が「年率3.0%から融資可能!」と広告した場合、実際に年率3.0%での融資は特定の高信用者のみに適用される最低金利であっても、景品表示法上の問題は生じない。
- 2.貸金業者が広告に「返済総額〇〇円!」と表示する際、当該金額が誤って実際よりも低い金額であった場合、貸金業法のみならず景品表示法の有利誤認表示に該当するおそれがある。
- 3.貸金業法に基づく広告規制を遵守している限り、景品表示法上の不当表示規制は適用されない。
- 4.貸金業者が融資申込みのキャンペーンとして、申込者全員に現金3万円を提供することを告知した場合、景品表示法の景品規制には該当しない。
解説
正解
正解は選択肢2です。返済総額を実際より低い金額で表示することは、取引条件について有利と誤認させる有利誤認表示に該当するおそれがあります。
各選択肢の解説
選択肢1「最低金利を前面に出した広告に問題なし」→ ❌誤り
「年率3.0%から融資可能!」という広告で、実際に3.0%が適用されるのは一部の高信用者のみの場合、大多数の消費者はより高い金利が適用されるにもかかわらず有利な金利で借りられると誤解するおそれがあります。これは有利誤認表示(景品表示法第5条第2号)に該当するおそれがあります。また貸金業法上も「実際の契約条件と乖離する可能性のある最低金利のみの表示」は問題になりえます。
選択肢2「返済総額を低く誤表示した場合」→ ✅正解
返済総額を実際より低く表示することは、取引条件(返済コスト)について実際より消費者に有利であると誤認させる典型的な有利誤認表示です。貸金業法第15条でも返済総額等の明示義務が定められており、両法律が競合して適用される可能性があります。
選択肢3「貸金業法を遵守すれば景品表示法は適用されない」→ ❌誤り
貸金業法と景品表示法は独立した法律であり、一方を遵守していても他方の規制から免れることはできません。各法律の要件を別々に満たす必要があります。
選択肢4「融資申込者全員への現金3万円は景品規制に非該当」→ ❌誤り
融資申込みを取引として、申込者全員に現金3万円を提供することは総付景品(ベタ付け景品)に該当します。総付景品の規制上限は取引価額の20%(または200円)であるため、取引価額(融資金額)によっては景品表示法の景品規制に違反する可能性があります。
背景知識
貸金業者の広告に関する法規制の重複適用関係を整理します。
| 規制法 | 主な規制内容(広告関連) |
|---|---|
| 貸金業法 | 貸付条件の明示、誇大広告の禁止、利率の表示方法 |
| 景品表示法 | 優良誤認表示・有利誤認表示の禁止、景品規制 |
| 消費者基本法 | 情報提供責務(基本理念) |
貸金業法第15条では、広告において返済の総額・年率等の明示が義務付けられています。この表示が不正確な場合、貸金業法違反と景品表示法違反が競合して問題となります。
学習アドバイス
難易度Cでは、貸金業法と景品表示法の双方にまたがる複合的な問題が出題されます。「最低金利のみの強調表示」「条件付き優遇の小文字表示」などの具体例を通じて、各法律の適用場面を実際の広告イメージと結びつけて学習しましょう。
まとめ
- 貸金業法遵守と景品表示法遵守は独立して必要
- 返済総額の低すぎる表示は有利誤認表示に該当
- 申込者全員への現金提供は総付景品規制の対象