【問492】貸金業務取扱主任者 練習問題|金融商品取引法の基礎
資金需要者等の保護 問72/84難易度C(難しい)
問題文
金融商品取引法における不公正取引規制に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- 1.インサイダー取引規制は、会社関係者が重要事実の公表前に当該会社の株式等を売買することを禁止するものであり、情報受領者(チップ受領者)にも適用される。
- 2.相場操縦行為には、現実の売買を行って株価を変動させる行為(現実売買による相場操縦)のほか、虚偽の情報を流布して相場を変動させる風説の流布も含まれる。
- 3.インサイダー取引規制における「重要事実」には、会社の業績予想の修正(増益・減益)は含まれるが、株式分割の決定は含まれない。
- 4.金融商品取引法上の不公正取引規制に違反した場合、刑事罰(懲役・罰金)が科される可能性がある。
解説
正解
正解は選択肢3です。株式分割の決定もインサイダー取引規制における「重要事実」に該当します。
各選択肢の解説
選択肢1「チップ受領者にもインサイダー規制が適用」→ ✅正解(誤りではない)
金融商品取引法第166条において、会社関係者から情報を受け取った者(情報受領者・チップ受領者)にもインサイダー取引規制が適用されます。会社関係者本人だけでなく、情報を受け取った第三者も規制対象です。
選択肢2「現実売買・風説の流布も相場操縦に含まれる」→ ✅正解(誤りではない)
金融商品取引法第159条において、相場操縦行為として現実の売買によるものと風説の流布によるものが禁止されています。両者ともに相場の公正性を損なう行為として規制されています。
選択肢3「株式分割は重要事実に含まれない」→ ❌誤り
金融商品取引法第166条第2項に定める「重要事実」には、株式分割の決定も含まれます(同項第1号、第2号等)。株式分割は投資判断に影響を与える重要な会社情報であるため、重要事実に該当します。業績予想の修正だけでなく、株式分割・合併・新株発行等も重要事実です。
選択肢4「違反した場合に刑事罰の可能性」→ ✅正解(誤りではない)
金融商品取引法の不公正取引規制(インサイダー取引・相場操縦等)に違反した場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金(または併科)などの刑事罰が科される可能性があります(同法第197条等)。
背景知識
インサイダー取引規制の主要な「重要事実」(上場会社の決定事実)を例示します。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 会社の決定事実 | 株式分割、合併、新株発行、自己株式取得、業績予想の修正 |
| 会社の発生事実 | 主要株主の異動、重大な災害・訴訟の発生 |
| 決算情報 | 売上・利益が一定以上変動する場合 |
「重要事実の公表」とは、2社以上の報道機関への公開後12時間経過等の要件を満たした場合をいいます。
学習アドバイス
難易度Cでは重要事実の具体的な内容(業績修正のみならず株式分割等も含まれる)や、インサイダー規制の適用対象(チップ受領者を含む)など、細かい知識が問われます。重要事実の列挙を暗記しましょう。
まとめ
- 重要事実には株式分割・業績修正・合併等が含まれる
- チップ受領者(情報受領者)にもインサイダー規制が適用
- 違反した場合は刑事罰(懲役・罰金)の対象