【問488】貸金業務取扱主任者 練習問題|金融商品取引法の基礎
資金需要者等の保護 問68/84難易度B(標準)
問題文
金融商品取引法における適合性原則に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- 1.金融商品取引業者等は、顧客の知識・経験・財産の状況および金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当な勧誘を行ってはならない。
- 2.適合性原則は、金融商品取引業者が勧誘を行う際に考慮すべき原則であり、顧客の意向確認なく取引を実行することを禁じる趣旨を含んでいる。
- 3.適合性原則に違反して締結された金融商品取引契約は、当然に無効となる。
- 4.適合性原則における顧客の状況の考慮要素には、顧客の財産の状況が含まれる。
解説
正解
正解は選択肢3です。適合性原則に違反した勧誘により締結された契約は「当然に無効」となるわけではありません。
各選択肢の解説
選択肢1「不適当な勧誘の禁止」→ ✅正解(誤りではない)
金融商品取引法第40条第1号において、金融商品取引業者等は「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることのないようにしなければならない」と規定されています。
選択肢2「顧客の意向確認なく取引を実行することへの禁止趣旨」→ ✅正解(誤りではない)
適合性原則は、顧客の状況に合わない金融商品の勧誘を禁じるものであり、顧客のニーズや状況を確認せずに取引を実行することを防ぐ趣旨を持っています。これは正確な記述です。
選択肢3「違反契約は当然に無効」→ ❌誤り
適合性原則(金融商品取引法第40条)に違反した勧誘は、業者に対する行政処分の対象となり得ますが、これだけで締結された契約が「当然に無効」となるわけではありません。顧客は不法行為に基づく損害賠償請求(民法第709条)を行うことはできますが、契約の当然無効は別の話です。
選択肢4「財産の状況が考慮要素に含まれる」→ ✅正解(誤りではない)
金融商品取引法第40条に明記されているとおり、顧客の財産の状況は適合性原則における考慮要素の一つです。知識・経験・財産の状況・取引目的の4つが主要な考慮要素です。
背景知識
適合性原則の考慮要素と関連する概念を整理します。
| 考慮要素 | 具体例 |
|---|---|
| 知識 | 金融商品に関する知識の有無 |
| 経験 | 投資経験の有無・年数 |
| 財産の状況 | 収入・資産・負債の状況 |
| 取引目的 | 投機目的か安定運用かなど |
適合性原則に違反した場合の効果としては、①行政処分(業務停止命令等)、②損害賠償責任(不法行為)が考えられますが、契約の「当然無効」ではない点に注意が必要です。
学習アドバイス
適合性原則違反の「効果」(当然無効ではなく損害賠償請求の可能性)は頻出ポイントです。また、考慮する4要素(知識・経験・財産・取引目的)を正確に暗記しておきましょう。
まとめ
- 適合性原則の考慮要素:知識・経験・財産の状況・取引目的
- 違反しても契約は当然無効にはならない(損害賠償請求は可能)
- 違反業者は行政処分の対象となり得る