【問482】貸金業務取扱主任者 練習問題|金融ADR制度
資金需要者等の保護 問62/84難易度B(標準)
問題文
金融ADR制度に基づく苦情処理・紛争解決手続に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、指定紛争解決機関から手続実施の求めがあったときは、正当な理由がない限り、これを拒否することができない。
- 2.貸金業者は、指定紛争解決機関との間で手続実施基本契約を締結した場合、当該機関の商号または名称および連絡先を、顧客に対して遅滞なく通知しなければならない。
- 3.紛争解決手続において、紛争解決委員が提示した和解案を借主が受諾しても、貸金業者が拒否した場合、当該和解案の効力は生じない。
- 4.指定紛争解決機関は、貸金業務に関して日本貸金業協会のみが指定されており、複数の機関が指定されることはない。
解説
正解
正解は選択肢4です。指定紛争解決機関について「複数の機関が指定されることはない」という断定的な記述は誤りです。
各選択肢の解説
選択肢1「手続実施の求めを拒否できない」→ ✅正解(誤りではない)
貸金業法第12条の2の3の規定により、手続実施基本契約を締結した貸金業者は、指定紛争解決機関から手続実施の求めがあった場合、正当な理由なく拒否することは認められません。手続への参加協力義務があります。
選択肢2「商号・連絡先の通知義務」→ ✅正解(誤りではない)
貸金業法施行規則に基づき、貸金業者は手続実施基本契約を締結した指定紛争解決機関の商号または名称および連絡先を顧客に対して通知する義務があります。これにより利用者がADR機関を適切に利用できるようにしています。
選択肢3「和解案は双方の受諾で効力発生」→ ✅正解(誤りではない)
紛争解決手続における和解案は、双方(借主・貸金業者)が受諾することにより効力が生じます。一方が拒否した場合には和解は成立せず、手続は終了します。この点が裁判と異なる特徴の一つです。
選択肢4「複数の機関が指定されることはない」→ ❌誤り
貸金業法上、同一業種に対して複数の指定紛争解決機関が指定されることを明示的に禁じる規定はありません。現在は日本貸金業協会が指定されていますが、制度上複数指定が不可能であるとはいえず、「複数の機関が指定されることはない」という断定は法律的に誤った記述です。
背景知識
金融ADR制度において、手続実施基本契約は貸金業者と指定紛争解決機関が締結する契約であり、この契約に基づいて以下の義務が発生します。
- 苦情処理手続への協力義務
- 紛争解決手続への参加義務
- 和解案の尊重義務(特定和解案は受諾義務あり)
- 情報提供義務
利用者(借主)は無料でこれらの手続きを利用することができ、消費者保護の観点から重要な制度となっています。
学習アドバイス
「誤っているものを選べ」という問題形式に慣れることが重要です。各選択肢の記述が「法律上正確か」「断定表現が適切か」を一つずつ検証する習慣をつけましょう。
まとめ
- 手続実施の求めへの協力は義務(正当な理由がなければ拒否不可)
- 指定機関の商号・連絡先の通知義務あり
- 和解案は双方の受諾で効力が生じる