【問481】貸金業務取扱主任者 練習問題|金融ADR制度
問題文
金融ADR制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者は、指定紛争解決機関が存在する場合、当該機関との間で手続実施基本契約を締結しなければならない。
- 2.貸金業に関する紛争について指定紛争解決機関として指定されているのは、国民生活センターである。
- 3.指定紛争解決機関による紛争解決手続は、裁判所の判決と同一の効力を有するため、強制執行が可能である。
- 4.苦情処理手続および紛争解決手続において、貸金業者は弁護士を代理人として出席させることが義務付けられている。
解説
正解
正解は選択肢1です。貸金業者は、指定紛争解決機関が存在する場合、手続実施基本契約の締結が義務付けられています。
各選択肢の解説
選択肢1「手続実施基本契約の締結義務」→ ✅正解
貸金業法第12条の2の2第1項により、貸金業者は指定紛争解決機関が存在するときは、当該機関との間で手続実施基本契約を締結しなければならないとされています。これは金融ADR制度の根幹をなす義務です。
選択肢2「国民生活センターが指定機関」→ ❌誤り
貸金業に関する指定紛争解決機関として指定されているのは、日本貸金業協会です(貸金業法第41条の39)。国民生活センターは相談窓口の一つではありますが、貸金業法上の指定紛争解決機関ではありません。
選択肢3「裁判所の判決と同一の効力」→ ❌誤り
指定紛争解決機関による紛争解決手続(和解案の受諾)は、訴訟上の和解と同一の効力を有するとされていますが、裁判所の判決と同一の効力を有するわけではありません。また、強制執行の可否についても選択肢の説明は正確ではありません。
選択肢4「弁護士代理が義務付け」→ ❌誤り
手続実施基本契約に基づく手続において、弁護士の代理出席が義務付けられているという規定はありません。貸金業者は担当者が出席することで対応可能であり、弁護士代理は任意です。
背景知識
金融ADR制度は2009年(平成21年)の金融商品取引法等の改正により導入されました。ADRとは「裁判外紛争解決手続」(Alternative Dispute Resolution)の略です。貸金業者は日本貸金業協会を指定紛争解決機関として、苦情処理手続と紛争解決手続の2段階で利用者の苦情・紛争に対応します。手続きは原則として無料で利用でき、消費者の権利保護に資する制度です。
| 手続の種類 | 内容 |
|---|---|
| 苦情処理手続 | 苦情の申し出を受け、解決を促進する |
| 紛争解決手続 | 調停・あっせんにより紛争解決を図る |
学習アドバイス
金融ADR制度では「指定紛争解決機関=日本貸金業協会」「手続実施基本契約の締結義務」の2点が頻出です。国民生活センターや消費生活センターと混同しないよう整理しておきましょう。
まとめ
- 貸金業の指定紛争解決機関は日本貸金業協会
- 貸金業者は手続実施基本契約の締結が義務
- 手続は苦情処理手続と紛争解決手続の2段階