【問450】貸金業務取扱主任者 練習問題|開示請求の対象と開示しない場合
問題文
個人情報保護法における保有個人データの開示請求の対象となる情報及び開示しない場合に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.個人情報取扱事業者が保有する個人データのうち、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるおそれがあるものについては、当該個人データが存在するか否か自体を開示しないことができる。
- 2.本人から開示請求があった場合に、個人情報取扱事業者が開示を拒絶できるのは、第三者の生命・身体・財産に危険が生じるおそれがある場合に限定され、業務上の支障を理由に拒絶することはできない。
- 3.個人情報取扱事業者は、本人から保有個人データの開示請求があった場合、開示しないことを決定した際には、その理由を開示する義務はない。
- 4.個人情報取扱事業者は、本人から保有個人データの開示請求があった場合、開示する個人データの範囲については事業者が自由に決定することができ、本人が指定した情報を必ずしも開示する必要はない。
解説
正解
正解は選択肢1です。個人データの存否自体が公益等を害するおそれがある場合は、存否自体を回答しないことも認められます(個人情報保護法第36条)。
各選択肢の解説
選択肢1「存否が公益を害するおそれがある場合は存否自体も開示不要」→ ✅正解
個人情報保護法第36条は、保有個人データの開示等の請求に対し、当該保有個人データが存在するかどうかを明らかにすることにより、開示しない場合に該当する事由(本人・第三者への危険、業務への著しい支障、他の法令違反)が生じるおそれがあるときは、当該個人データが存在するかどうかを明らかにしないことができると規定しています。
選択肢2「第三者への危険の場合のみ拒絶可能」→ ❌誤り
個人情報保護法第33条第2項は、開示しないことができる場合として①本人又は第三者の生命・身体・財産等への危険のおそれ、②業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれ、③他の法令に違反することとなる場合の3類型を定めています。業務上の著しい支障を理由とする拒絶も認められており、「第三者への危険の場合に限定」というのは誤りです。
選択肢3「開示拒絶時の理由開示義務なし」→ ❌誤り
個人情報保護法第33条第3項は、保有個人データの全部又は一部を開示しない旨の決定をしたとき、又は当該保有個人データが存在しないときは、本人に対してその旨を通知しなければならないと定めています。また、不開示の場合は原則として理由の通知も求められます(ガイドライン通則編)。
選択肢4「開示範囲は事業者が自由に決定できる」→ ❌誤り
個人情報保護法第33条第1項は、本人は「当該本人が識別される保有個人データの開示を請求することができる」と規定しており、本人が特定の保有個人データの開示を請求した場合、事業者は開示の例外事由に該当しない限り当該データを開示しなければなりません。事業者が開示範囲を自由に縮小することは認められません。
背景知識
開示請求に対する対応フロー:
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①本人確認 | 請求者が本人であることを確認 |
| ②存否判断 | 存否の公表が問題ないか確認(第36条) |
| ③開示判断 | 例外事由(危険・業務支障・法令違反)の有無確認 |
| ④通知 | 開示・不開示のいずれも遅滞なく本人に通知 |
| ⑤開示方法 | 書面又は電磁的記録等(本人が選択可能) |
令和4年改正:電磁的記録での提供が明文化、手数料申出制度の新設
学習アドバイス
開示請求の流れ(本人確認→存否確認→開示判断→通知)を順番で覚えましょう。開示しない場合の3類型(危険・業務支障・法令違反)も試験頻出です。存否回答自体を拒否できるケースが選択肢1のポイントです。
まとめ
- 個人データの存否自体が公益等を害するおそれがある場合は存否の回答も不要(第36条)
- 開示しないことができる場合は3類型(危険・業務支障・法令違反)あり、業務支障も含む
- 開示しない旨の決定をした場合は本人への通知義務がある
- 本人が指定した保有個人データは例外事由がない限り開示しなければならない