【問443】貸金業務取扱主任者 練習問題|要配慮個人情報と第三者提供(上級)
問題文
個人情報保護法における要配慮個人情報の第三者提供に関する次の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1.個人情報取扱事業者は、本人の病歴(要配慮個人情報)が含まれる個人データを第三者に提供するに際して、オプトアウト手続きを利用することができる。ただし、個人情報保護委員会への届出と本人への通知が必要である。
- 2.要配慮個人情報は、その性質上、本人の生命・身体の保護のために緊急に必要がある場合であっても、本人の同意なく第三者に提供することはできない。
- 3.個人情報取扱事業者が本人の信用情報(借入残高、返済状況等)を含む個人データを指定信用情報機関に提供する場合、指定信用情報機関は貸金業法に基づく機関であるため、個人情報保護法の第三者提供規制は適用されない。
- 4.要配慮個人情報が含まれる個人データの第三者提供を受ける者(受領者)は、提供者が当該情報を適法に取得した経緯を確認する義務を負い、提供者が当該義務を履行できない場合は原則として提供を受けることができない。
解説
正解
正解は選択肢4です。第三者から個人データの提供を受ける際の確認義務(個人情報保護法第30条)は、要配慮個人情報を含む個人データについて特に重要です。
各選択肢の解説
選択肢1「要配慮個人情報にオプトアウト可能」→ ❌誤り
個人情報保護法第27条第2項ただし書は、「第23条第2項の規定により提供しようとする個人情報取扱事業者が要配慮個人情報を含む個人データを提供する場合」はオプトアウトを利用できないと明記しています。病歴等の要配慮個人情報については、届出をしても本人通知をしてもオプトアウトによる提供は認められません。
選択肢2「緊急時でも同意が必要」→ ❌誤り
個人情報保護法第27条第1項第2号は、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」は本人の同意なく第三者に提供できると規定しています。この例外は要配慮個人情報にも適用されます。例えば、意識不明の患者の病歴を救急医療チームに提供する場合がこれに該当します。
選択肢3「指定信用情報機関への提供は個人情報保護法適用外」→ ❌誤り
指定信用情報機関への個人データ提供は貸金業法に基づくものですが、個人情報保護法の第三者提供規制の「適用外」にはなりません。貸金業法が個人信用情報の提供を義務付けていること(貸金業法第41条の35等)が、個人情報保護法第27条第1項第1号の「法令に基づく場合」として同意不要となる根拠です。個人情報保護法は適用されつつ、その例外が認められるのです。
選択肢4「受領者は提供者の取得経緯確認義務あり」→ ✅正解
個人情報保護法第30条第1項は、第三者から個人データの提供を受ける際に、当該第三者の氏名・名称等と当該個人データの「取得の経緯」を確認することを義務付けています。要配慮個人情報の場合、適法な取得(本人同意等)の確認が特に重要であり、経緯を確認できない場合は提供を受けることが適切ではありません。
背景知識
要配慮個人情報の主な取扱い制限:
| 局面 | 通常の個人データ | 要配慮個人情報 |
|---|---|---|
| 取得 | 利用目的通知で可 | 原則として本人の同意が必要 |
| オプトアウト | 可能(届出要) | 不可 |
| 緊急時の第三者提供 | 可(同意困難時) | 可(同意困難時) |
| 漏えい報告 | 一定類型のみ | 件数不問で報告義務 |
学習アドバイス
要配慮個人情報の規制は「取得時の同意」「オプトアウト不可」「漏えい即報告」の3点が特徴です。緊急時の例外は要配慮個人情報にも適用される点を見落とさないようにしましょう。
まとめ
- 要配慮個人情報はオプトアウトによる第三者提供が禁止されている
- 緊急時(生命・身体・財産の保護)の例外は要配慮個人情報にも適用される
- 指定信用情報機関への提供は「法令に基づく場合」として同意不要(個人情報保護法は適用される)
- 受領者は提供者から個人データの取得経緯を確認する義務を負う