【問419】貸金業務取扱主任者 練習問題|否認権の行使
民法・民事訴訟法 問113/114難易度C(難しい)
問題文
破産法における否認権に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.否認権とは、破産手続開始前に破産者が行った行為の効力を否定し、破産財団から逸出した財産を取り戻すための制度である。
- 2.破産者が支払不能になった後に、特定の債権者に対して弁済をした場合、偏頗行為として否認される可能性がある。
- 3.否認権は、破産管財人が行使する。
- 4.否認権の行使は、破産手続開始の決定前であっても行うことができる。
解説
正解
正解は選択肢4です。否認権は破産手続開始の決定後に破産管財人が行使するものであり、開始決定前に行使することはできません。
各選択肢の解説
選択肢1「否認権の意義」→ ✅
否認権は、破産手続開始前になされた破産者の行為の効力を否定し、破産財団に財産を回復させるための制度です(破産法第160条以下)。
選択肢2「偏頗行為否認」→ ✅
破産者が支払不能になった後に特定の債権者にのみ弁済を行った場合、他の債権者を害する偏頗行為として否認される可能性があります(破産法第162条)。
選択肢3「管財人が行使」→ ✅
否認権は破産管財人が行使します(破産法第173条第1項)。訴え、抗弁又は否認の請求の方法により行使します。
選択肢4「開始決定前にも行使可能」→ ❌
否認権は破産手続開始の決定があってはじめて行使できるものです。開始決定前には破産管財人が選任されていないため、否認権を行使する主体が存在しません。
背景知識
| 否認権の類型 | 内容 |
|---|---|
| 詐害行為否認 | 破産者の財産を減少させる行為 |
| 偏頗行為否認 | 特定債権者への優先弁済 |
| 無償行為否認 | 無償又は著しく廉価な処分 |
学習アドバイス
否認権は破産管財人の重要な権限です。詐害行為否認と偏頗行為否認の違い、行使の要件を整理しましょう。
まとめ
- 否認権は破産財団から逸出した財産を取り戻す制度
- 破産管財人が破産手続開始決定後に行使する
- 特定債権者への偏頗弁済は否認の対象となり得る