【問399】貸金業務取扱主任者 練習問題|制限行為能力者
民法・民事訴訟法 問93/114難易度B(標準)
問題文
被保佐人に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 1.被保佐人は、家庭裁判所の保佐開始の審判を受けた者であり、保佐人が選任される。
- 2.被保佐人が民法第13条第1項に定める重要な法律行為を保佐人の同意なく行った場合、その行為は取り消すことができる。
- 3.被保佐人は、保佐人の同意があれば、民法第13条第1項に定める行為以外のいかなる行為も単独で有効に行うことができる。
- 4.保佐人は、家庭裁判所の審判により被保佐人の代理権を付与されることがあるが、この代理権は民法第13条第1項に定める行為に限られる。
解説
正解
正解は選択肢4です。保佐人の代理権は民法第13条第1項に限定されません。
各選択肢の解説
選択肢1「保佐開始の審判と保佐人の選任」→ ✅正解
民法第11条は、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は保佐開始の審判をすることができると規定しています。保佐開始の審判と同時に保佐人が選任されます(民法第876条の2第1項)。
選択肢2「重要行為を同意なく行えば取消可」→ ✅正解
民法第13条第1項に列挙された行為(借財・保証・不動産処分等)を保佐人の同意なく行った場合、被保佐人またはその保佐人は当該行為を取り消すことができます(民法第13条第4項)。
選択肢3「同意があれば第13条以外の行為も有効」→ ✅正解
被保佐人は、民法第13条第1項に定める行為については保佐人の同意が必要ですが、それ以外の行為については単独で有効に行うことができます。保佐人の同意は第13条第1項の行為に対して効力を有し、それ以外の行為について同意を求める必要はありません。
選択肢4「保佐人の代理権は第13条第1項の行為に限られる」→ ❌誤り
民法第876条の4第1項は、家庭裁判所は、保佐開始の審判をするとともに、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができると規定しています。この代理権は民法第13条第1項に定める行為に限られず、特定の法律行為について個別に付与されます。第13条第1項の行為に限定されているわけではありません。
背景知識
制限行為能力者の保護者の権限を比較します。
| 制限行為能力者 | 保護者 | 同意権 | 代理権 | 取消権 |
|---|---|---|---|---|
| 未成年者 | 法定代理人 | あり(包括的) | あり(包括的) | あり |
| 成年被後見人 | 成年後見人 | なし(原則) | あり(包括的) | あり |
| 被保佐人 | 保佐人 | あり(第13条第1項) | 審判で個別付与 | あり |
| 被補助人 | 補助人 | 審判で個別付与 | 審判で個別付与 | あり |
学習アドバイス
被保佐人は「重要な行為のみ同意が必要」という限定的な制限であることを覚えましょう。保佐人の代理権が「第13条第1項に限定されない」という点は見落としやすいポイントです。
まとめ
- 被保佐人は民法第13条第1項の重要行為のみ保佐人の同意が必要(民法第13条)
- 保佐人の代理権は審判で特定の法律行為について個別に付与される(民法第876条の4)
- 代理権の範囲は第13条第1項の行為に限らず、審判で定めた特定行為となる