【問398】貸金業務取扱主任者 練習問題|制限行為能力者
民法・民事訴訟法 問92/114難易度B(標準)
問題文
未成年者に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.未成年者は、法定代理人の同意を得れば、単独でいかなる法律行為も有効に行うことができる。
- 2.未成年者が法定代理人から特定の営業を許可された場合、その営業に関する行為については、法定代理人の同意なく単独で行うことができる。
- 3.未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為は、当然に無効であり、取消しを待つまでもなく効力を生じない。
- 4.未成年者は、自己を相手方とする法律行為については、法定代理人の同意なく単独で取り消すことができない。
解説
正解
正解は選択肢2です。法定代理人から特定の営業を許可された未成年者は、その営業に関する行為を法定代理人の同意なく単独で行うことができます(民法第6条第1項)。
各選択肢の解説
選択肢1「同意を得ればいかなる行為も有効」→ ❌誤り
未成年者は法定代理人の同意を得ることで多くの法律行為を行うことができますが(民法第5条第1項)、「いかなる行為も」という絶対的表現は誤りです。一身専属的な行為(遺言等)については制限行為能力の規定が適用されず別途規定があります。また贈与など一方的に義務のみ負う行為については同意があっても一定の制限があります。
選択肢2「営業許可後はその営業に関して単独で行為可能」→ ✅正解
民法第6条第1項は、未成年者が法定代理人から特定の営業を許可された場合、その営業に関する行為については法定代理人の同意なく単独で行うことができると規定しています。許可後は個々の行為ごとに同意を得る必要はありません。
選択肢3「未成年者の行為は当然無効」→ ❌誤り
未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為は取り消すことができる行為であり(民法第5条第2項)、当然無効ではありません。取消しがあって初めて遡及的に無効となりますが、取消し前は有効として扱われます。
選択肢4「自己の取消しを単独でできない」→ ❌誤り
民法第120条第1項は、取消しは制限行為能力者等が行うことができると規定しており、未成年者は自己が行った行為を単独で取り消すことができます。
背景知識
未成年者の法律行為に関する主要な規定をまとめます。
- 原則:法定代理人の同意が必要(民法第5条第1項)
- 例外(単独で可):①単に権利を得る行為、②義務を免れる行為、③法定代理人が目的を定めて処分を許した財産の処分、④特定営業の許可を受けた行為(民法第6条)
2022年4月の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられました。これに伴い旧法の「婚姻による成年擬制」規定(旧民法第753条)は削除されています。
学習アドバイス
「営業許可を受けた未成年者はその営業に関して単独で行為できる」という規定(民法第6条)は実務上も重要です。また制限行為能力者の行為は「無効」ではなく「取り消しうる」という点は必須知識です。
まとめ
- 営業許可を受けた未成年者は、その営業に関する行為を単独でできる(民法第6条)
- 未成年者の同意なき行為は当然無効ではなく取り消しうる行為(民法第5条)
- 未成年者は自己の行為を単独で取り消すことができる(民法第120条)