【問397】貸金業務取扱主任者 練習問題|制限行為能力者
民法・民事訴訟法 問91/114難易度A(易しい)
問題文
制限行為能力者制度に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為は、当然に無効であり、取消しを待つまでもなく効力を生じない。
- 2.成年被後見人が行った法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為であれば取り消すことができない。
- 3.制限行為能力者が単独で行うことができる行為には、遺言も含まれる。
- 4.制限行為能力者の相手方は、制限行為能力者側に対して催告をすることができず、返答を待つ必要はない。
解説
正解
正解は選択肢2です。成年被後見人の日用品購入等の行為は取り消すことができません。
各選択肢の解説
選択肢1「未成年者の行為は当然無効」→ ❌誤り
未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為は取り消すことができる行為であり(民法第5条第2項)、当然無効ではありません。取消しがあって初めて遡及的に無効となりますが、取消し前は有効として扱われます。
選択肢2「成年被後見人の日常生活行為は取消不可」→ ✅正解
民法第9条ただし書きは、成年被後見人の日用品の購入その他日常生活に関する行為については、成年後見人の同意なしに単独で行うことができ、取り消すことができないと規定しています。
選択肢3「遺言は制限行為能力者でも単独でできる」→ ✅正解(内容は正しいが本問の正解は選択肢2)
民法第962条は、制限行為能力者に関する規定は遺言には適用しないと定めており、遺言能力を有する者(15歳以上)であれば制限行為能力者でも遺言を単独でできます。ただし本問では成年被後見人も法定代理人の同意なく遺言ができる点に注意が必要です。
選択肢4「相手方は催告できない」→ ❌誤り
民法第20条は、制限行為能力者の相手方に対する催告権を規定しています。相手方は制限行為能力者側に対して、1か月以上の期間を定めて取消しまたは追認するかを確答するよう催告することができます。
背景知識
制限行為能力者の種類と保護者を確認します。
| 区分 | 対象者 | 保護者 |
|---|---|---|
| 未成年者 | 18歳未満の者 | 親権者・未成年後見人 |
| 成年被後見人 | 精神上の障害で判断能力を常時欠く者 | 成年後見人 |
| 被保佐人 | 精神上の障害で判断能力が著しく不十分な者 | 保佐人 |
| 被補助人 | 精神上の障害で判断能力が不十分な者 | 補助人 |
学習アドバイス
制限行為能力者の行為は「無効」ではなく「取り消しうる」という点が最重要です。「当然無効」という表現に惑わされないようにしましょう。また日用品購入等の行為の例外(成年被後見人)も必ず押さえてください。
まとめ
- 制限行為能力者の同意のない法律行為は取り消しうる行為(無効ではない)(民法第5条等)
- 成年被後見人の日用品購入等の日常生活行為は取り消せない(民法第9条ただし書き)
- 相手方には制限行為能力者側への催告権がある(民法第20条)