【問396】貸金業務取扱主任者 練習問題|相続
民法・民事訴訟法 問90/114難易度C(難しい)
問題文
遺言に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 1.自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自書し、押印することが必要であり、他人による代筆は許されない。
- 2.公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、公証人が作成する遺言であり、自筆の要件はない。
- 3.遺言は、15歳に達した者であれば単独で有効に作成することができる。
- 4.同一の証書による共同遺言(二人以上の者が同一の証書でする遺言)は、夫婦間であれば有効である。
解説
正解
正解は選択肢4です。共同遺言は夫婦間であっても禁止されています。
各選択肢の解説
選択肢1「自筆証書遺言の要件」→ ✅正解
民法第968条第1項は、自筆証書遺言の要件として「全文・日付・氏名の自書および押印」を規定しています。一文字でも他人が代筆した部分があれば遺言全体が無効となります。ただし2019年改正により財産目録については自書でなくてもよくなりました(民法第968条第2項)。
選択肢2「公正証書遺言の要件」→ ✅正解
民法第969条は、公正証書遺言の要件として①証人2人以上の立会い、②遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること、③公証人が筆記・読み聞かせること等を規定しています。公証人が作成するため自筆は不要です。
選択肢3「15歳以上で単独遺言可能」→ ✅正解
民法第961条は、15歳に達した者は遺言をすることができると規定しています。遺言能力については制限行為能力者の規定は適用されず(民法第962条)、15歳以上であれば単独で遺言できます。
選択肢4「夫婦間の共同遺言は有効」→ ❌誤り
民法第975条は、「遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない」と規定しており、夫婦間であっても共同遺言は禁止されています。この規定は遺言の自由・撤回の自由を保護するために設けられており、例外はありません。
背景知識
遺言の方式の種類を整理します。
| 遺言の種類 | 特徴 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 安価・秘密保持 | 全文・日付・氏名の自書、押印 |
| 公正証書遺言 | 確実・安全 | 公証人作成、証人2人以上 |
| 秘密証書遺言 | 秘密保持 | 署名押印、証人2人以上、公証人 |
遺言の撤回(民法第1022条):遺言者はいつでも遺言の全部または一部を撤回できます。共同遺言が禁止される理由の一つは、一方的な撤回が困難になるからです。
学習アドバイス
共同遺言の禁止(民法第975条)は、夫婦間でも例外なく適用される点が重要です。また自筆証書遺言の「全文自書」要件(財産目録は除く)も頻出知識です。
まとめ
- 遺言能力は15歳以上(民法第961条)。制限行為能力の規定は不適用(民法第962条)
- 共同遺言は夫婦間を含め一切禁止(民法第975条)
- 自筆証書遺言は全文・日付・氏名の自書と押印が必要(民法第968条)