【問393】貸金業務取扱主任者 練習問題|相続
民法・民事訴訟法 問87/114難易度B(標準)
問題文
遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.遺留分は、被相続人の兄弟姉妹にも認められる。
- 2.遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
- 3.遺留分は、法定相続人全員が遺産の一定割合を取得することを保障するものであり、遺言によって変更することはできない。
- 4.遺留分の侵害を理由とする請求権は、遺留分侵害の事実を知った時から10年間行使しなければ時効によって消滅する。
解説
正解
正解は選択肢2です。2019年改正により、遺留分侵害額請求権は金銭支払請求権とされました。
各選択肢の解説
選択肢1「兄弟姉妹にも遺留分がある」→ ❌誤り
民法第1042条第1項は、遺留分を有する者として「兄弟姉妹以外の相続人」と規定しています。兄弟姉妹は遺留分権利者から除外されており、遺留分は認められません。遺留分権利者は配偶者・子(代襲相続人を含む)・直系尊属です。
選択肢2「遺留分侵害額相当の金銭支払を請求できる」→ ✅正解
2019年(令和元年)の民法改正により、旧法の「遺留分減殺請求権」(物権的返還請求)が廃止され、「遺留分侵害額請求権」(金銭支払請求権)に改められました(民法第1046条第1項)。現行法では遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できます。
選択肢3「遺言によって変更できない」→ ❌誤り
遺留分は最低限度の保障であり、遺留分を超える部分については遺言によって自由に処分できます。また、相続人は家庭裁判所の許可を得て被相続人の生前に遺留分を放棄することもできます(民法第1049条)。
選択肢4「時効は侵害の事実を知った時から10年」→ ❌誤り
民法第1048条は、遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しなければ時効によって消滅すると規定しています。また相続開始時から10年間の消滅時効もあります。
背景知識
遺留分の割合(民法第1042条)を確認します。
| 相続人 | 遺留分の割合(遺産全体に対する) |
|---|---|
| 直系尊属のみ | 3分の1 |
| その他の場合 | 2分の1 |
各相続人の遺留分は、上記の割合に法定相続分を乗じて算出します。例えば配偶者と子1人の場合、各々の遺留分は遺産の4分の1(2分の1×2分の1)です。
学習アドバイス
2019年改正で「遺留分減殺請求権(物権的)」→「遺留分侵害額請求権(金銭的)」に変わった点は頻出です。また兄弟姉妹に遺留分がない点、時効期間「1年または10年」も確実に覚えましょう。
まとめ
- 兄弟姉妹には遺留分が認められない(民法第1042条第1項)
- 遺留分侵害額請求権は金銭支払請求権(2019年改正・民法第1046条)
- 遺留分侵害額請求権の時効は知った時から1年・相続開始から10年(民法第1048条)