【問387】貸金業務取扱主任者 練習問題|質権
民法・民事訴訟法 問81/114難易度A(易しい)
問題文
質権の基本的な性質に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.質権は、設定者が質物の占有を保持したまま設定することができる。
- 2.動産質権は、質権者が質物を占有することが成立要件であり、占有を失えば質権が消滅する。
- 3.質権は被担保債権と独立して存在し、被担保債権が消滅しても質権は消滅しない。
- 4.質権者は、質物を善良な管理者の注意義務をもって保管しなければならない。
解説
正解
正解は選択肢4です。質権者は善管注意義務をもって質物を保管する義務を負います。
各選択肢の解説
選択肢1「設定者が占有を保持したまま設定できる」→ ❌誤り
質権は占有担保であり、設定者が質権者に質物の占有を移転することが成立要件です(民法第344条)。設定者が占有を保持したままでは質権は成立しません。これが抵当権(非占有担保)との大きな違いです。
選択肢2「動産質権は占有を失えば消滅する」→ ❌誤り
民法第352条は、動産質権者が質物の占有を失った場合、占有回収の訴えによってのみ質物を回復できると規定しています。占有を失っても質権自体が消滅するわけではなく、占有回収の訴えによる回復が認められます。
選択肢3「被担保債権が消滅しても質権は消滅しない」→ ❌誤り
質権も担保物権の一つであり、付従性を有します。被担保債権が消滅すれば質権も当然に消滅します。これは抵当権と同様の性質です。
選択肢4「質権者は善管注意義務で質物を保管」→ ✅正解
民法第350条(同法第298条第1項を準用)は、質権者は質物を善良な管理者の注意をもって保管しなければならないと規定しています。善管注意義務違反があれば、質権者は損害賠償責任を負います。
背景知識
質権(民法第342条〜第368条)の基本的性質は次のとおりです。
- 占有担保:質権者が質物を占有することが成立・存続の要件
- 付従性:被担保債権に付従し、債権消滅で質権も消滅
- 不可分性:被担保債権全額の弁済まで質物全部に効力が及ぶ
- 物上代位性:目的物の滅失等で生じた金銭等にも効力が及ぶ
質権の種類には動産質・不動産質・権利質があります。
学習アドバイス
質権と抵当権の最大の違いは「占有の有無」です。質権は占有担保(設定者から占有を移転)、抵当権は非占有担保(設定者が占有を保持)という区別を最初に覚えましょう。
まとめ
- 質権は占有担保であり、質権者に質物の占有移転が成立要件(民法第344条)
- 動産質権者が占有を失っても質権は消滅せず、占有回収の訴えで回復できる(民法第352条)
- 質権者は善管注意義務をもって質物を保管しなければならない(民法第350条・第298条)