【問383】貸金業務取扱主任者 練習問題|抵当権
民法・民事訴訟法 問77/114難易度B(標準)
問題文
法定地上権(民法第388条)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1.抵当権設定時に土地と建物が同一の所有者に属していることが、法定地上権成立の要件の一つである。
- 2.土地のみに抵当権が設定されており、競売によって土地と建物の所有者が異なることになった場合に法定地上権が成立する。
- 3.法定地上権は、競売によって土地と建物の所有者が異なることになれば、当事者の合意なしに当然に成立する。
- 4.法定地上権が成立した場合の地代は当事者の協議によってのみ定まり、裁判所が定めることはできない。
解説
正解
正解は選択肢4です。地代は、当事者の請求により裁判所が定めることができます(民法第388条後段)。
各選択肢の解説
選択肢1「抵当権設定時の同一所有者が要件」→ ✅正解
法定地上権(民法第388条)の成立要件の一つとして、抵当権設定時に土地と建物が同一人の所有に属していることが必要です。設定時に既に土地と建物の所有者が別人であれば法定地上権は成立しません。
選択肢2「競売で土地と建物の所有者が異なれば法定地上権成立」→ ✅正解
民法第388条は「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす」と定めており、抵当権は土地・建物のいずれか一方に設定されていれば足ります。
選択肢3「当然に法定地上権が成立する」→ ✅正解
法定地上権は当事者の合意や裁判所の判決等を要せず、競売によって土地と建物の所有者が異なることになった時点で当然に(法律上)成立します。これが「法定」地上権と呼ばれる所以です。
選択肢4「地代は協議によってのみ定まる」→ ❌誤り
民法第388条後段は「この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。」と定めています。協議が調わなくても、当事者の請求があれば裁判所が地代を定めることができ、地代が決まらないために法定地上権が宙に浮くことはありません。
背景知識
法定地上権(民法第388条)の成立要件をまとめます。
- 抵当権設定時に土地と建物が存在すること
- 設定時に土地と建物が同一人の所有に属すること
- 土地または建物のいずれかまたは双方に抵当権が設定されたこと
- 競売により土地と建物の所有者が別人になること
法定地上権が成立すると、建物所有者は土地について使用権原を取得し、建物を収去させられる心配がなくなります。
学習アドバイス
法定地上権の4つの成立要件を正確に暗記しましょう。「設定時に同一所有者」という要件が最も問われやすいポイントです。また登記の要否については判例の立場を確認しておいてください。
まとめ
- 法定地上権の成立要件は①同一所有、②抵当権設定、③競売による所有者の分離(民法第388条)
- 法定地上権は当事者の合意なしに当然成立する
- 法定地上権も第三者への対抗には登記が必要(民法第177条)