【問381】貸金業務取扱主任者 練習問題|抵当権
民法・民事訴訟法 問75/114難易度A(易しい)
問題文
抵当権の性質に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.抵当権は不動産にのみ設定でき、動産や権利には設定することができない。
- 2.抵当権者は、抵当目的物の占有を取得することで初めて抵当権の効力を第三者に主張できる。
- 3.抵当権は、被担保債権が消滅すれば当然に消滅する(付従性)。
- 4.抵当権は設定者に占有を移転するため、設定者は目的物を使用・収益することができない。
解説
正解
正解は選択肢3です。抵当権は被担保債権に付従し、債権が消滅すれば抵当権も消滅します(付従性)。
各選択肢の解説
選択肢1「抵当権は不動産にのみ設定できる」→ ❌誤り
抵当権は不動産(民法第369条)のほか、地上権・永小作権(民法第369条第2項)にも設定することができます。また、航空機・船舶・自動車等の特別法上の財産にも抵当権類似の担保が設定できます。
選択肢2「占有取得で第三者対抗力が生じる」→ ❌誤り
抵当権は非占有担保であり、抵当権者は目的物の占有を取得しません(民法第369条)。抵当権の第三者に対する対抗要件は登記です(民法第177条)。占有の取得ではなく、登記によって対抗力が生じます。
選択肢3「付従性により債権消滅とともに抵当権も消滅」→ ✅正解
抵当権は被担保債権の存在を前提とし、被担保債権が弁済・相殺・免除等によって消滅すると、抵当権も当然に消滅します。これを付従性といいます(民法第396条等参照)。担保物権に共通する性質です。
選択肢4「設定者は目的物を使用・収益できない」→ ❌誤り
抵当権は非占有担保であり、抵当権設定者(所有者)は設定後も目的物を使用・収益することができます(民法第369条参照)。これが抵当権と質権の大きな違いです。抵当権設定者は通常どおり目的物を利用できます。
背景知識
抵当権の4つの性質を覚えましょう。
- 付従性:被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅
- 随伴性:被担保債権が移転すれば抵当権も移転
- 不可分性:被担保債権全部の弁済まで目的物全部に効力が及ぶ
- 物上代位性:目的物の売却・賃貸・滅失等で生じた金銭等にも効力が及ぶ
抵当権は非占有担保であり、設定者は目的物を引き続き使用・収益できる点が質権との大きな違いです。
学習アドバイス
抵当権の4つの性質(付従性・随伴性・不可分性・物上代位性)を必ず覚えましょう。また「非占有担保」(設定者が占有を保持)という特徴は抵当権の最大の特色です。
まとめ
- 抵当権は被担保債権に付従し、債権消滅とともに消滅する(付従性)
- 抵当権は非占有担保であり、登記が対抗要件(民法第177条)
- 設定者は抵当権設定後も目的物を自由に使用・収益できる