【問378】貸金業務取扱主任者 練習問題|不法行為
民法・民事訴訟法 問72/114難易度B(標準)
問題文
共同不法行為(民法第719条)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1.複数の者が共同の不法行為によって他人に損害を与えた場合、各加害者は連帯して損害全額を賠償する責任を負う。
- 2.共同不法行為者のうちの一人が全額賠償した場合、その者は他の共同不法行為者に対して各人の過失割合に応じて求償できる。
- 3.数人が共同して不法行為を行った場合、そのうちの誰の行為によって損害が生じたかを特定できなくても、連帯責任が成立する。
- 4.共同不法行為が成立するためには、各加害者が相互に意思の連絡をしていたことが必要である。
解説
正解
正解は選択肢4です。共同不法行為の成立に意思の連絡は必要ありません。
各選択肢の解説
選択肢1「連帯して損害全額の賠償責任を負う」→ ✅正解
民法第719条第1項前段は、「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」と規定しています。被害者は各加害者に対して損害全額を請求することができます。
選択肢2「全額賠償した者は他の加害者に求償できる」→ ✅正解
共同不法行為者の責任は不真正連帯債務であり、一人が全額を弁済した場合、各自の過失割合(負担部分)に応じて他の共同不法行為者に求償することができます。これは不真正連帯債務の求償として認められています。
選択肢3「誰の行為で損害が生じたか不明でも連帯責任成立」→ ✅正解
民法第719条第1項後段は、「共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする」と規定しており、因果関係の証明が困難な場合でも連帯責任が成立します。これを「加害者不明の共同不法行為」といいます。
選択肢4「意思の連絡が必要」→ ❌誤り
共同不法行為(民法第719条)の成立に意思の連絡(共謀)は不要です。複数の者が客観的に関連した行為をして損害を生じさせた場合(客観的共同)で成立します。意思の連絡がなくても、各人の行為が客観的に関連していれば共同不法行為が成立します。
背景知識
共同不法行為の類型は次のとおりです。
- 狭義の共同不法行為(民法第719条第1項前段):複数の者が共同して他人に損害を加えた場合
- 加害者不明の共同不法行為(同項後段):共同行為者のうち誰が損害を加えたか不明の場合
- 教唆・幇助(同条第2項):教唆者・幇助者も共同行為者とみなす
共同不法行為者の責任は不真正連帯債務であり、一般の連帯債務と異なり、絶対的効力が生じる事由が限定されています。
学習アドバイス
「共同不法行為に意思の連絡は不要」という点は試験頻出です。客観的関連共同性があれば足りることを覚えましょう。また不真正連帯債務という性質も重要なキーワードです。
まとめ
- 共同不法行為は意思の連絡がなくても客観的共同があれば成立(民法第719条)
- 各共同不法行為者は損害全額について連帯責任を負う
- 全額賠償した者は各自の過失割合に応じて他の者に求償できる