【問375】貸金業務取扱主任者 練習問題|不法行為
民法・民事訴訟法 問69/114難易度A(易しい)
問題文
不法行為(民法第709条)の成立要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1.不法行為が成立するためには、加害者に故意がある場合に限られ、過失による損害は不法行為とはならない。
- 2.不法行為による損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から5年間行使しないと時効によって消滅する。
- 3.不法行為が成立するためには、加害行為と損害との間に因果関係が必要である。
- 4.不法行為による損害賠償は、財産的損害に限られ、精神的損害(慰謝料)は認められない。
解説
正解
正解は選択肢3です。不法行為の成立には加害行為と損害との間の因果関係が必要です。
各選択肢の解説
選択肢1「故意がある場合に限られる」→ ❌誤り
民法第709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。故意のみならず過失による損害も不法行為として損害賠償の対象となります。
選択肢2「時効期間は知った時から5年」→ ❌誤り
民法第724条は、不法行為による損害賠償請求権の時効について「損害及び加害者を知った時から3年間」と規定しています(人身損害については5年)。財産的損害の場合は3年であり、5年ではありません。また不法行為の時から20年という除斥期間(消滅時効)もあります。
選択肢3「加害行為と損害との間に因果関係が必要」→ ✅正解
民法第709条の不法行為の成立要件は、①故意または過失、②権利または法律上保護される利益の侵害、③損害の発生、④行為と損害との間の因果関係、⑤加害者の責任能力、です。因果関係は必須の要件です。
選択肢4「精神的損害(慰謝料)は認められない」→ ❌誤り
民法第710条は「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない」と規定しており、慰謝料(精神的損害)も認められます。
背景知識
不法行為(民法第709条)の成立要件を整理します。
- 故意または過失:行為者の主観的要件
- 権利・利益侵害:侵害される客体が権利または法律上保護される利益であること
- 損害の発生:財産的損害・精神的損害を含む
- 因果関係:行為と損害との間の相当因果関係
- 責任能力:行為者が自己の行為の責任を弁識できる能力(民法第712条・第713条)
学習アドバイス
不法行為の成立要件5つをすべて暗記しましょう。試験では「故意のみ」「5年の時効」「財産損害のみ」といった誤った選択肢が頻出です。時効期間(原則3年、人身損害5年)も正確に覚えてください。
まとめ
- 不法行為は故意または過失による権利・利益侵害(民法第709条)
- 成立要件に因果関係が含まれる
- 精神的損害(慰謝料)も賠償対象となる(民法第710条)