【問373】貸金業務取扱主任者 練習問題|弁済・弁済の提供
問題文
弁済による代位に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 1.保証人が主債務を弁済した場合、法律上当然に債権者に代位し、債権者が有していた担保権も行使できる。
- 2.物上保証人が弁済した場合には、債権者への代位について債権者の承諾が必要である。
- 3.代位弁済者が複数いる場合、各代位弁済者の担保権行使は各自の負担部分の割合による。
- 4.弁済について正当な利益を有しない第三者が代位する場合、対抗要件として債権譲渡の規定が準用される。
解説
正解
正解は選択肢2です。物上保証人の弁済は法定代位に該当し、債権者の承諾は不要です。
各選択肢の解説
選択肢1「保証人の弁済による法定代位と担保権行使」→ ✅正解
民法第499条は、弁済をするについて正当な利益を有する者が弁済した場合、法律上当然に債権者に代位すると規定しています(法定代位)。保証人は正当な利益を有する者であり、弁済により債権者が有していた担保権(抵当権等)も当然に取得します(民法第501条)。
選択肢2「物上保証人の代位に債権者の承諾が必要」→ ❌誤り
物上保証人も弁済について正当な利益を有する者であり、民法第499条の法定代位が適用されます。法定代位は債権者の承諾を必要とせず、弁済により当然に代位が生じます。任意代位(民法第500条)の場合に債権者の承諾が必要でしたが、2020年改正で任意代位も承諾不要とされました。
選択肢3「複数の代位弁済者は負担部分の割合で行使」→ ✅正解
民法第501条第3項各号は、保証人と物上保証人が複数いる場合等において、担保権の行使範囲を各自の負担部分の割合に応じて制限すると規定しています。これにより代位者間の公平が図られます。
選択肢4「正当な利益を有しない第三者の代位には債権譲渡の対抗要件が必要」→ ✅正解
民法第500条は、債権譲渡の対抗要件を定める民法第467条を弁済による代位に準用しています。ただし括弧書きで「弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合」を除いているため、対抗要件が必要になるのは正当な利益を有しない第三者が代位する場合に限られます。保証人・物上保証人のように正当な利益を有する者は、通知や承諾がなくても代位を対抗できます。
背景知識
弁済による代位(民法第499条〜第502条)には法定代位と任意代位があります。2020年の民法改正前は任意代位に債権者の承諾が必要でしたが、改正後は承諾不要となりました。
| 区分 | 対象者 | 承諾 |
|---|---|---|
| 法定代位 | 正当な利益を有する者(保証人・物上保証人等) | 不要 |
| 任意代位 | 正当な利益のない第三者 | 不要(改正後) |
学習アドバイス
2020年改正により任意代位も承諾不要となった点に注意しましょう。改正前後で変更された箇所は試験に出やすい傾向があります。また、代位の範囲(負担部分の割合)も整理しておきましょう。
まとめ
- 正当な利益を有する者の弁済は法定代位として当然に認められる(民法第499条)
- 法定代位・任意代位ともに債権者の承諾は不要(2020年改正)
- 複数の代位者がいる場合、担保権の行使は負担部分の割合による(民法第501条第3項)