【問371】貸金業務取扱主任者 練習問題|弁済・弁済の提供
民法・民事訴訟法 問65/114難易度B(標準)
問題文
弁済の充当に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.債務者が同一の債権者に対して複数の債務を負担する場合、弁済の充当順序は常に法律の規定によって決まる。
- 2.弁済が元本・利息・費用を消滅させるのに不足するときは、まず費用、次に利息、最後に元本に充当される。
- 3.弁済の充当について当事者間で合意がある場合であっても、その合意は無効であり法定充当が適用される。
- 4.債権者が指定する充当順序は、債務者が弁済した時から効力を生ずる。
解説
正解
正解は選択肢2です。民法第489条は、費用・利息・元本の順に充当すると規定しています。
各選択肢の解説
選択肢1「充当順序は常に法律で決まる」→ ❌誤り
民法第490条は、当事者が別段の合意をした場合にはその合意が優先すると定めています。弁済の充当は、①合意による指定充当、②当事者の一方による指定充当、③法定充当の順に適用されます。法定充当が適用されるのは当事者間の合意も指定もない場合です。
選択肢2「費用→利息→元本の順に充当される」→ ✅正解
民法第489条第1項は、「債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない」と規定しています。
選択肢3「充当の合意は無効で法定充当が適用される」→ ❌誤り
民法第490条は、当事者間で充当の合意がある場合はその合意によると規定しており、合意が法定充当に優先します。合意が無効とされる規定はなく、当事者自治が尊重されます。
選択肢4「債権者の指定は弁済時から効力を生ずる」→ ❌誤り
民法第488条第3項は、債権者が指定をする場合には、その指定は弁済者が承認しなければ効力を生じないと規定しています。弁済者(債務者等)の承認が必要であり、単に債権者が指定するだけでは効力は生じません。
背景知識
弁済の充当に関するルールの優先順位は次のとおりです。
- 合意充当:当事者が合意で決める(民法第490条)
- 指定充当:弁済者が指定(民法第488条第1項)、債権者が指定(同条第2項・第3項)
- 法定充当:費用→利息→元本の順(民法第489条)
複数の債務がある場合の法定充当では、①弁済期が先に到来したもの、②弁済期が同じであれば債務者に不利なもの、という順序で充当されます(民法第488条第4項)。
学習アドバイス
充当の優先順位(合意→指定→法定)と、法定充当の順序(費用→利息→元本)を両方セットで覚えましょう。貸金業実務でも利息の取り扱いに直結するため重要です。
まとめ
- 弁済の充当は合意・指定・法定の順に適用される(民法第488条〜第490条)
- 法定充当では費用→利息→元本の順に充当される(民法第489条)
- 債権者による指定充当は弁済者の承認が必要(民法第488条第3項)