【問369】貸金業務取扱主任者 練習問題|弁済・弁済の提供
問題文
弁済に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
- 1.債務者は、債権者が弁済を受領しない場合、弁済の提供をすれば、履行遅滞の責任を免れる。
- 2.弁済の提供は、現実の提供によらなければならず、口頭の提供は一切認められない。
- 3.弁済は、必ず債権者本人に対して行わなければならず、代理人への弁済は効力を生じない。
- 4.債務者が弁済の提供をした場合でも、債権者は債務不履行に基づく損害賠償を請求できる。
解説
正解
正解は選択肢1です。弁済の提供をすれば、債務者は履行遅滞その他の責任を免れます。
各選択肢の解説
選択肢1「弁済の提供により履行遅滞の責任を免れる」→ ✅正解
民法第492条は、「債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる」と定めています。債権者が受領を拒否していても、適法な弁済の提供があれば、債務者は遅延損害金の発生を止め、履行遅滞の責任を免れることができます。
選択肢2「口頭の提供は一切認められない」→ ❌誤り
民法第493条ただし書きは、債権者があらかじめ受領を拒絶した場合や、債務の履行について債権者の行為が必要な場合には、口頭の提供(弁済の準備をしたことを通知して受領を催告すること)で足りると規定しています。口頭の提供が認められる場合があります。
選択肢3「代理人への弁済は効力を生じない」→ ❌誤り
民法第478条・第479条の規定により、弁済は受領権限を有する者(債権者の代理人など)に対しても有効に行うことができます。代理人が受領権限を持っている場合、その代理人への弁済は有効です。
選択肢4「弁済の提供後も損害賠償を請求できる」→ ❌誤り
民法第492条により、適法な弁済の提供があった後は、債務者はその責任を免れます。したがって、債権者は弁済の提供以降の債務不履行を理由とした損害賠償を請求することができません。
背景知識
弁済の提供は「現実の提供」が原則です(民法第493条本文)。これは実際に弁済行為を行うことを意味します。ただし、例外として「口頭の提供」が認められる場合があります。口頭の提供とは、弁済の準備ができたことを債権者に通知し、受領を促すことです。弁済の提供の効果(民法第492条)として、①履行遅滞の責任の消滅、②遅延損害金の発生停止、③相手方の解除権の消滅が挙げられます。
学習アドバイス
弁済の提供の効果(民法第492条)と、提供の方法(現実の提供・口頭の提供)(民法第493条)の区別を正確に覚えましょう。試験では「一切認められない」「必ず〜しなければならない」という絶対的表現に注意することが重要です。
まとめ
- 弁済の提供があれば、債務者は履行遅滞等の責任を免れる(民法第492条)
- 弁済の提供は現実の提供が原則だが、例外的に口頭の提供でも足りる場合がある(民法第493条)
- 受領権限を持つ代理人への弁済も有効に成立する