【問363】貸金業務取扱主任者 練習問題|相殺の基本
民法・民事訴訟法 問57/114難易度A(易しい)
問題文
相殺に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.相殺は、当事者双方の債務が互いに同種の目的を有し、双方の債務が弁済期にあるときに行うことができる。
- 2.相殺は、相手方に対する意思表示によって行うが、相手方の同意がなければその効力を生じない。
- 3.相殺の意思表示には条件を付すことができる。
- 4.相殺の効力は、相殺の意思表示をした時点から将来に向かって生じる。
解説
正解
正解は選択肢1です。民法第505条第1項に基づき、相殺の要件(相殺適状)を正しく述べています。
各選択肢の解説
選択肢1「同種の目的・双方が弁済期にあるとき」→ ✅(適切)
民法第505条第1項は、二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができると規定しています。これが相殺適状の要件です。
選択肢2「相手方の同意が必要」→ ❌(不適切)
相殺は一方的な意思表示によって行うことができる単独行為です(民法第506条第1項)。相手方の同意は不要です。
選択肢3「相殺に条件を付すことができる」→ ❌(不適切)
相殺の意思表示には、条件又は期限を付することができません(民法第506条第1項但書)。相殺は確定的な効果を生じさせるものであり、条件付きでは法律関係が不安定になるためです。
選択肢4「意思表示の時点から将来に向かって効力」→ ❌(不適切)
相殺の効力は、相殺の意思表示をした時点からではなく、双方の債務が相殺に適するようになった時(相殺適状時)にさかのぼって生じます(民法第506条第2項)。これを相殺の遡及効といいます。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相殺適状の要件 | 同種の目的・双方弁済期・性質が許すこと |
| 相殺の方法 | 一方的な意思表示(単独行為) |
| 条件・期限 | 付すことができない |
| 効力発生時期 | 相殺適状時に遡及 |
学習アドバイス
相殺の基本4要素(要件・方法・条件禁止・遡及効)はセットで覚えましょう。
まとめ
- 相殺適状は同種の目的を有する双方弁済期の債務が存在すること
- 相殺は単独行為であり相手方の同意不要
- 相殺の意思表示に条件・期限は付せない
- 効力は相殺適状時に遡及する