【問361】貸金業務取扱主任者 練習問題|債権の二重譲渡
民法・民事訴訟法 問55/114難易度C(難しい)
問題文
AがBに対する貸金債権をCとDに二重に譲渡した場合に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.CとDの優劣は、確定日付のある証書による通知がBに到達した日時の先後によって決まり、確定日付自体の先後は関係ない。
- 2.CとDの双方について確定日付のある証書による通知がBに同時に到達した場合、確定日付が先の譲受人が優先する。
- 3.Cについて確定日付のある証書による通知がなされ、Dについては確定日付のない通知がなされた場合、Bに対する関係ではC・Dとも対抗要件を備えているため、同順位である。
- 4.CとDの双方について対抗要件が具備されていない場合、先に譲渡契約を締結した者が優先する。
解説
正解
正解は選択肢1です。判例により、二重譲渡の優劣は確定日付のある通知の到達時の先後で決まります。
各選択肢の解説
選択肢1「通知の到達日時の先後で決まる」→ ✅(適切)
最高裁判例(昭和49年3月7日)により、債権の二重譲渡における譲受人間の優劣は、確定日付のある証書による通知が債務者に到達した日時の先後によって決まります。確定日付自体の先後は基準となりません。
選択肢2「確定日付が先の者が優先」→ ❌(不適切)
上記判例により、確定日付自体の先後ではなく、通知の到達時の先後が基準です。確定日付が先でも通知が後に到達すれば劣後します。
選択肢3「Bに対する関係でC・Dとも同順位」→ ❌(不適切)
Dの通知には確定日付がないため、Dは第三者であるCに対して対抗できません。したがって、第三者対抗要件を備えたCが優先します。なお、Bに対する関係(債務者対抗要件)では確かにC・D双方とも対抗できますが、二重譲渡のCとDの優劣は第三者対抗要件で決まります。
選択肢4「先に契約した者が優先」→ ❌(不適切)
債権譲渡の優劣は対抗要件の具備によって決まり、譲渡契約の締結時期は基準となりません。双方とも対抗要件を具備していない場合、いずれも第三者に対抗できず、債務者はいずれにも弁済を拒める可能性があります。
背景知識
| 状況 | 優劣の判断基準 |
|---|---|
| 双方が確定日付ある通知を具備 | 通知の到達時の先後 |
| 一方のみ確定日付ある通知を具備 | 具備した方が優先 |
| 双方が確定日付のない通知のみ | 第三者には双方対抗不可 |
| 同時到達 | 双方とも債務者に全額請求可能 |
学習アドバイス
二重譲渡の優劣基準は「到達時説」であることを覚えましょう。確定日付の先後ではない点がポイントです。
まとめ
- 二重譲渡の優劣は確定日付ある通知の「到達時」の先後で決まる
- 確定日付自体の先後は優劣の基準にならない
- 譲渡契約の締結時期も優劣の基準にならない