【問359】貸金業務取扱主任者 練習問題|譲渡制限特約
民法・民事訴訟法 問53/114難易度B(標準)
問題文
債権の譲渡制限特約に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.当事者が債権の譲渡を禁止する特約をした場合、改正民法では、その特約に反する譲渡は無効である。
- 2.譲渡制限特約が付された債権が譲渡された場合、改正民法では、その譲渡は有効であるが、債務者は譲渡制限特約について悪意又は重過失の譲受人に対して債務の履行を拒むことができる。
- 3.譲渡制限特約が付された預貯金債権が譲渡された場合、改正民法では、その譲渡も有効であり、債務者は常に譲受人に弁済しなければならない。
- 4.譲渡制限特約は、すべての種類の債権について同一の効力を有する。
解説
正解
正解は選択肢2です。改正民法では、譲渡制限特約に反する譲渡も有効ですが、債務者は悪意・重過失の譲受人に対して履行を拒むことができます。
各選択肢の解説
選択肢1「譲渡制限特約に反する譲渡は無効」→ ❌(不適切)
改正前民法では、譲渡制限特約に反する譲渡について悪意の譲受人に対しては無効と解されていましたが、改正民法第466条第2項は、譲渡制限特約があっても債権譲渡の効力は妨げられないと規定しています。
選択肢2「譲渡は有効だが悪意・重過失の譲受人に履行拒絶可能」→ ✅(適切)
民法第466条第3項により、債務者は譲渡制限特約について悪意又は重大な過失がある譲受人その他の第三者に対して、債務の履行を拒むことができ、かつ譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗できます。
選択肢3「預貯金債権の譲渡も常に譲受人に弁済必要」→ ❌(不適切)
預貯金債権については特則があります(民法第466条の5)。譲渡制限特約が付された預貯金債権が譲渡された場合、悪意又は重過失の譲受人に対しては譲渡の効力を対抗できます(実質的に無効と同様の効果)。
選択肢4「すべての債権で同一の効力」→ ❌(不適切)
上記のとおり、預貯金債権については一般の債権とは異なる特則が設けられています。
背景知識
| 債権の種類 | 譲渡の効力 | 悪意・重過失の譲受人への対抗 |
|---|---|---|
| 一般の債権 | 有効 | 履行拒絶・譲渡人への弁済で対抗 |
| 預貯金債権 | 悪意・重過失の譲受人に対し無効同様 | 譲渡自体の効力を否定可能 |
学習アドバイス
改正民法の譲渡制限特約の規律は大きく変わりました。一般の債権と預貯金債権で扱いが異なる点に注意しましょう。
まとめ
- 改正民法では譲渡制限特約に反する譲渡も原則有効
- 債務者は悪意・重過失の譲受人に対して履行を拒絶できる
- 預貯金債権は特則により悪意・重過失の譲受人に対し無効同様の扱い