【問356】貸金業務取扱主任者 練習問題|連帯債務と時効
民法・民事訴訟法 問50/114難易度C(難しい)
問題文
連帯債務と消滅時効に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.連帯債務者の1人について消滅時効が完成した場合、改正民法では、その効力は他の連帯債務者にも及び、他の連帯債務者も時効完成者の負担部分について債務を免れる。
- 2.連帯債務者の1人について消滅時効が完成した場合、改正民法では、その効力は他の連帯債務者に及ばず、債権者は他の連帯債務者に対してなお全額の請求ができる。
- 3.連帯債務者の1人に対する時効の完成猶予は、改正民法では他のすべての連帯債務者に対しても効力を生じる。
- 4.連帯債務において、債権者が連帯債務者の全員に対して同時に訴訟を提起しなければ、消滅時効の完成猶予の効力は生じない。
解説
正解
正解は選択肢2です。改正民法では、消滅時効の完成は相対的効力事由であり、他の連帯債務者には影響しません。
各選択肢の解説
選択肢1「時効完成が他の連帯債務者にも及ぶ」→ ❌(不適切)
これは改正前民法の規律です。改正前は、連帯債務者の1人について消滅時効が完成した場合、他の連帯債務者もその負担部分について債務を免れるとされていました。しかし改正民法では、時効の完成は相対的効力事由となりました(民法第441条)。
選択肢2「時効完成は他の連帯債務者に及ばず全額請求可能」→ ✅(適切)
改正民法第441条により、連帯債務者の1人について生じた事由は原則として相対的効力です。消滅時効の完成も相対的効力事由であるため、1人の時効が完成しても他の連帯債務者の債務には影響せず、債権者はなお全額の請求が可能です。
選択肢3「時効の完成猶予が他の全員に及ぶ」→ ❌(不適切)
時効の完成猶予・更新も相対的効力事由です。連帯債務者の1人に対する時効の完成猶予は、他の連帯債務者には効力を生じません。
選択肢4「全員に同時に訴訟提起が必要」→ ❌(不適切)
消滅時効の完成猶予は、各連帯債務者に対して個別に生じます。債権者は連帯債務者の1人に対して訴訟を提起すれば、その者との関係で時効の完成猶予の効力が生じます。全員に同時に訴訟を提起する必要はありません。
背景知識
| 時効に関する事由 | 改正民法での効力 |
|---|---|
| 時効の完成 | 相対的効力 |
| 時効の完成猶予 | 相対的効力 |
| 時効の更新 | 相対的効力 |
学習アドバイス
改正前民法との違いを意識して学習しましょう。改正民法では時効に関する事由はすべて相対的効力となった点が重要です。
まとめ
- 改正民法では時効の完成は相対的効力事由
- 1人の時効完成は他の連帯債務者の債務に影響しない
- 債権者は時効が完成していない連帯債務者に全額請求可能