【問355】貸金業務取扱主任者 練習問題|連帯債務の応用問題
民法・民事訴訟法 問49/114難易度C(難しい)
問題文
A、B、Cの3人がDに対して600万円の連帯債務を負い、負担部分は均等である場合に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.Aが Dとの間で債務について更改をした場合、B及びCの債務も消滅する。
- 2.AがDに対して600万円全額を弁済した後、Bが無資力であった場合、Bの負担部分200万円はAとCがそれぞれ100万円ずつ負担する。
- 3.AについてDとの間で混同が生じた場合、AはDに対して弁済をしたものとみなされ、B及びCに対して求償権を取得する。
- 4.Dが Aに対する連帯債務の全額を免除した場合であっても、DはBに対して600万円全額の支払を請求することができる。
解説
正解
正解は選択肢1です。更改は絶対的効力事由ですが、その効力の内容に注意が必要です。
各選択肢の解説
選択肢1「更改によりB・Cの債務も消滅」→ ❌(不適切)
更改は絶対的効力事由ですが(民法第438条)、AとDの間の更改により従前の債務が消滅するのは、あくまでAの負担部分に限ってB・Cの利益のために効力を生じます。B・Cの債務全額が消滅するわけではなく、Aの負担部分200万円の限度でB・Cの債務が消滅し、B・Cは残り400万円の連帯債務を負います。
選択肢2「Bの無資力分をAとCで按分」→ ✅(適切)
民法第444条第1項により、連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担します。BとCの負担部分は均等なので、Bの200万円をAとCで100万円ずつ負担します。
選択肢3「混同による弁済擬制と求償権」→ ✅(適切)
混同は絶対的効力事由であり(民法第440条)、AについてDとの間で混同が生じた場合、Aは弁済をしたものとみなされます。その結果、AはB・Cに対してそれぞれの負担部分の限度で求償権を取得します。
選択肢4「免除後もBに600万円請求可能」→ ✅(適切)
改正民法では免除は相対的効力事由です(民法第441条)。DがAに対して債務を免除しても、その効力はBには及ばないため、DはBに対して依然として600万円全額の支払を請求できます。
背景知識
| 絶対的効力事由 | 効力の内容 |
|---|---|
| 弁済 | 債務の全部又は一部消滅 |
| 更改 | 負担部分の限度で他の債務者の利益のために効力 |
| 相殺 | 援用者の負担部分の限度で他の債務者の利益のために効力 |
| 混同 | 弁済したものとみなされる |
学習アドバイス
更改・相殺の絶対的効力は「全額消滅」ではなく「負担部分の限度で他の債務者の利益のために」効力が生じる点に注意しましょう。
まとめ
- 更改の絶対的効力は負担部分の限度で他の債務者に及ぶ
- 無資力者の負担部分は求償者と他の資力ある者で按分
- 改正民法では免除は相対的効力であり他の債務者に影響しない