【問352】貸金業務取扱主任者 練習問題|連帯債務の絶対的効力事由
民法・民事訴訟法 問46/114難易度B(標準)
問題文
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合(負担部分は各300万円)に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.Aが Dに対して900万円全額を弁済した場合、AはB及びCに対してそれぞれ300万円の求償をすることができる。
- 2.DがAに対して履行の請求をした場合、その効力はB及びCには及ばない。
- 3.AがDに対して300万円の反対債権を有している場合、Aが相殺を援用したときは、DのB及びCに対する債権もAの負担部分の限度で消滅する。
- 4.DがAに対して債務を免除した場合、その効力はB及びCにも及び、B及びCの債務も当然に300万円ずつ減額される。
解説
正解
正解は選択肢4です。改正民法により、免除は相対的効力事由となり、他の連帯債務者には影響しません。
各選択肢の解説
選択肢1「Aが全額弁済→B・Cに各300万円求償」→ ✅(適切)
弁済は絶対的効力事由であり、Aが900万円を弁済すると債務は消滅します。AはB・Cに対してそれぞれの負担部分300万円の求償が可能です(民法第442条第1項)。
選択肢2「Aへの履行請求はB・Cに及ばない」→ ✅(適切)
改正民法により、履行の請求は相対的効力事由となりました(民法第441条)。したがって、DがAに対して行った請求の効力はB・Cには及びません。
選択肢3「Aの相殺でB・Cの債務もAの負担部分の限度で消滅」→ ✅(適切)
連帯債務者の1人が相殺を援用した場合、その効力は他の連帯債務者にも及びます(民法第439条第1項)。Aが300万円の反対債権で相殺すると、B・Cの債務もAの負担部分300万円の限度で消滅します。
選択肢4「Aへの免除がB・Cにも当然に及ぶ」→ ❌(不適切)
改正民法では、免除は相対的効力事由です(民法第441条)。DがAに対して債務を免除しても、その効力はB・Cには及ばず、B・Cは依然として900万円の連帯債務を負います。
背景知識
| 事由 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 弁済・代物弁済 | 絶対的効力 | 絶対的効力 |
| 相殺 | 絶対的効力 | 絶対的効力 |
| 更改 | 絶対的効力 | 絶対的効力 |
| 混同 | 絶対的効力 | 絶対的効力 |
| 請求 | 絶対的効力 | 相対的効力 |
| 免除 | 絶対的効力 | 相対的効力 |
| 時効の完成 | 絶対的効力 | 相対的効力 |
学習アドバイス
改正民法で絶対的効力事由が大幅に削減された点は頻出です。弁済・相殺・更改・混同の4つが絶対的効力事由であることを覚えましょう。
まとめ
- 改正民法では連帯債務の絶対的効力事由は弁済・相殺・更改・混同に限定
- 請求・免除・時効完成は相対的効力に変更された
- 免除は1人に対してのみ効力を生じ、他の連帯債務者には影響しない