【問350】貸金業務取扱主任者 練習問題|連帯保証
民法・民事訴訟法 問44/114難易度C(難しい)
問題文
貸金業者が取得する連帯保証に関する次の記述のうち、貸金業法及び民法の規定に照らして適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.貸金業者が個人を連帯保証人とする契約を締結する場合、当該連帯保証契約に係る書面を連帯保証人に交付しなければならない。
- 2.個人が主債務者の事業のために貸金等債務を主債務とする連帯保証契約を締結しようとする場合、原則として、当該連帯保証人になろうとする個人は契約締結前1か月以内に公証人の面前でその意思を確認させなければならない。
- 3.連帯保証人が弁済した場合、連帯保証人は当然に債権者の権利を取得し、主債務者への求償のために債権者の有した担保権を行使することができる。
- 4.貸金業者が個人を連帯保証人とする根保証契約を締結する場合、極度額の定めがなければ当該根保証契約は無効となる。
解説
正解
正解は選択肢3です。弁済による代位(法定代位)について、連帯保証人が「当然に」債権者の権利を「取得」するという表現が不正確です。
各選択肢の解説
選択肢1「連帯保証契約書面の交付義務」→ ✅正解(適切)
貸金業法第17条第2項・第3項により、貸金業者は保証契約を締結した場合、保証人に対して書面を交付する義務があります。これは連帯保証においても同様です。
選択肢2「事業用連帯保証→公証人の意思確認が原則必要」→ ✅正解(適切)
民法第465条の6により、個人が事業のために負担した貸金等債務を主債務とする保証(連帯保証を含む)を委託しようとする場合、原則として保証人となる個人は契約締結前1か月以内に公証人の意思確認を受けなければなりません。
選択肢3「弁済→当然に債権者の権利を取得」→ ❌誤り(不適切)
弁済による代位(民法第499条・第500条)は、保証人が弁済した場合に債権者に代位して債権者の有していた権利を行使できる制度です。しかしこれは「権利の取得」ではなく、債権者の権利を「代位行使」するものです。また、代位によって取得できる権利の範囲は保証人が自己の権利を保全するため(求償権の範囲)に限られます。「当然に」「取得」という表現は弁済による代位の法的性質を誤解させる不正確な記述です。
選択肢4「個人根保証→極度額の定めがなければ無効」→ ✅正解(適切)
民法第465条の2第1項・第2項の規定のとおりです。個人根保証契約(貸金等根保証を含む)は極度額を書面(電磁的記録)で定めなければ無効です。連帯保証人による根保証も同様です。
背景知識
弁済による代位(民法第499条〜501条)
- 保証人等の弁済者は債権者に代位する
- 代位の範囲:求償権の範囲に限定
- 法定代位(当然に代位):保証人・連帯債務者・物上保証人等
- 任意代位(債権者の承諾が必要):無関係の第三者が弁済した場合
貸金業法上の書面交付義務
- 貸付けに係る契約(第17条第1項)
- 保証契約(第17条第2項・第3項)
- 重要事項の記載義務あり
学習アドバイス
「弁済による代位」は「権利の取得」ではなく「代位行使」です。また代位できる範囲は求償権の範囲に限られる点を正確に理解しましょう。貸金業法上の書面交付義務も連帯保証に適用されることを確認してください。
まとめ
- 弁済による代位は「権利の取得」でなく「代位行使」(民法第499条)
- 代位の範囲は求償権の限度に限定
- 個人根保証(連帯保証含む)は極度額の書面定めが必須(民法第465条の2)