【問347】貸金業務取扱主任者 練習問題|連帯保証
民法・民事訴訟法 問41/114難易度B(標準)
問題文
連帯保証人に生じた事由が主債務者に影響するかどうかに関する次の記述のうち、民法の規定として適切なものを1つ選びなさい。
- 1.連帯保証人に対する債権者の裁判上の請求は、主債務者の消滅時効の完成猶予の効力が生じる。
- 2.連帯保証人が債務を承認した場合、主債務者の消滅時効も更新される。
- 3.連帯保証人に対する債権者による免除は、主たる債務についても当然にその効力が生じる。
- 4.連帯保証人が債権者に対して相殺権を行使した場合、主債務者の債務も当然に消滅する。
解説
正解
正解は選択肢4です。連帯保証人が相殺権を行使した場合、その弁済的効力により主債務者の債務も消滅します。
各選択肢の解説
選択肢1「連帯保証人への裁判上の請求→主債務者の時効完成猶予」→ ❌誤り
改正民法第458条では、連帯保証人について生じた事由の効力は、主債務者に影響しない(相対的効力)とされています。連帯保証人への裁判上の請求は主債務者の時効完成猶予に影響を与えません。債権者は主債務者に対して別途訴訟等を行う必要があります。
選択肢2「連帯保証人の承認→主債務者の時効も更新」→ ❌誤り
同様に、連帯保証人による債務の承認(更新事由)は、主債務者の消滅時効に影響しません。主債務者の時効は、主債務者自身の行為または主債務者に対する事由によってのみ更新・猶予されます。
選択肢3「連帯保証人への免除→主たる債務にも効力が生じる」→ ❌誤り
民法第458条が準用する第441条により、連帯保証人について生じた事由は原則として主債務者に効力を及ぼしません(相対的効力)。免除は第458条が準用する第438条〜第440条のいずれにも含まれないため、連帯保証人への免除の効力は主たる債務には及びません。「当然にその効力が生じる」は誤りです。
選択肢4「連帯保証人の相殺→主債務者の債務も消滅」→ ✅正解
民法第458条は第439条第1項を準用しており、連帯保証人が債権者に対する自らの債権で相殺を援用したときは、その弁済的効力により主債務者の債務も対当額において消滅します。相殺は第458条が準用する数少ない絶対的効力事由の一つです。
背景知識
連帯保証人について生じた事由の主債務者への効力
| 事由 | 主債務者への効力 |
|---|---|
| 連帯保証人の弁済 | 絶対的効力(主債務も消滅) |
| 連帯保証人の相殺 | 絶対的効力(主債務も対当額消滅) |
| 連帯保証人への請求・承認 | 相対的効力(主債務には無影響) |
| 連帯保証人への免除 | 相対的効力(主債務には無影響) |
| 連帯保証人の時効完成 | 相対的効力(主債務には無影響) |
学習アドバイス
連帯保証人側の事由が主債務者に影響するのは「弁済的効果を持つ行為(弁済・相殺)」のみです。請求・承認・免除などは相対的効力にとどまることを整理しましょう。
まとめ
- 連帯保証人の弁済・相殺は主債務者にも絶対的効力(債務消滅)
- 連帯保証人への請求・承認・免除は主債務者には無影響(相対的効力)
- 改正民法で連帯保証の絶対的効力は大幅に縮小