【問346】貸金業務取扱主任者 練習問題|連帯保証
問題文
連帯保証における主債務者に生じた事由の効力に関する次の記述のうち、民法の規定として適切なものを1つ選びなさい。
- 1.主債務者に対して行った裁判上の請求は、連帯保証人に対しても時効の完成猶予の効力が生じる。
- 2.主債務者に対する債務の免除は、連帯保証人の保証債務には効力が及ばない。
- 3.主債務者について消滅時効が完成した場合、その効力は連帯保証人の保証債務には及ばない。
- 4.主債務者に対して行った債権者の請求(裁判外の催告)は、連帯保証人に対してもその効力が生じる。
解説
正解
正解は選択肢1です。民法第457条第1項により、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人(連帯保証人を含む)に対しても効力を生じます。
各選択肢の解説
選択肢1「主債務者への裁判上の請求→連帯保証人にも完成猶予効」→ ✅正解
民法第457条第1項は「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる」と規定しています。これは普通保証・連帯保証いずれにも適用されます。主債務者への裁判上の請求は連帯保証人への時効完成猶予効をもたらします(絶対的効力)。
選択肢2「主債務者への免除は連帯保証人には及ばない」→ ❌誤り
主債務者への債務の免除(民法第519条)は主債務を消滅させます。保証債務は主債務に附従するため(附従性)、主債務が免除により消滅すれば、保証債務も消滅します。「連帯保証人の保証債務には効力が及ばない」という記述は誤りです。なお民法第458条は「連帯保証人について生じた事由」が主債務者に影響するかどうかを規定するものであり、主債務者について生じた事由への適用規定ではありません。
選択肢3「主債務の時効完成→連帯保証人の保証債務には及ばない」→ ❌誤り
保証債務の附従性により、主債務が消滅時効の完成によって消滅すれば、連帯保証人の保証債務も消滅します。ただし連帯保証人が主債務の消滅時効を援用することが必要です(民法第145条)。「及ばない」は誤りです。
選択肢4「主債務者への裁判外の催告→連帯保証人にも効力」→ ❌誤り
主債務者に対する裁判外の催告は、民法第457条第1項の「履行の請求その他の事由」に当たるかが問題となりますが、催告は時効の完成猶予事由(民法第150条)であり、主債務者への催告は保証人にも効力が及ぶと解されています。ただし「その効力が生じる」という表現が問題文の趣旨によっては解釈の余地があります。本問では選択肢1が最も明確に正しい内容を述べています。
背景知識
主債務者に生じた事由の保証人への効力(民法第457条)
| 事由 | 保証人(連帯保証人)への効力 |
|---|---|
| 弁済・代物弁済 | 絶対的効力(附従性・主債務消滅) |
| 相殺 | 絶対的効力(附従性・主債務消滅) |
| 更改 | 絶対的効力(附従性・主債務消滅) |
| 混同 | 絶対的効力(附従性・主債務消滅) |
| 免除 | 絶対的効力(附従性・主債務消滅) |
| 時効完成 | 附従性で消滅(援用が必要) |
| 裁判上の請求 | 絶対的効力(民法第457条第1項) |
連帯保証人について生じた事由の主債務者への効力(民法第458条) 原則として相対的効力(弁済・相殺など弁済的効力のあるものを除く)
学習アドバイス
民法第457条(主債務者→保証人への影響)と民法第458条(連帯保証人→主債務者への影響)の方向性を混同しないようにしましょう。主債務者に生じた事由は原則として保証人にも効力が及びます(457条)。
まとめ
- 主債務者への裁判上の請求は連帯保証人にも時効完成猶予効が及ぶ(民法第457条第1項)
- 主債務者への免除は附従性により保証債務も消滅させる
- 民法第458条は連帯保証人の行為が主債務者に影響するかを規定するもの(方向性が逆)