【問344】貸金業務取扱主任者 練習問題|保証契約
民法・民事訴訟法 問38/114難易度B(標準)
問題文
保証人の催告の抗弁権及び検索の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定として適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.催告の抗弁権とは、債権者が保証人に対して履行を請求してきた場合に、保証人がまず主債務者に催告すべき旨を請求できる権利である。
- 2.検索の抗弁権とは、主債務者に弁済する資力があり、かつ執行が容易であることを保証人が証明したときは、まず主債務者の財産に対して執行すべき旨を請求できる権利である。
- 3.催告の抗弁権を行使した後、債権者がその催告を怠ったために主債務者から全額回収できなかった場合でも、保証人は全額弁済する責任を負う。
- 4.主債務者が行方不明である場合は、保証人は催告の抗弁権を行使することができない。
解説
正解
正解は選択肢3です。催告の抗弁権行使後に債権者が催告を怠り損失が生じた場合、保証人は免責の利益を受けます。
各選択肢の解説
選択肢1「催告の抗弁権の内容」→ ✅正解(適切)
民法第452条の規定のとおりです。催告の抗弁権は、債権者が保証人に対して履行を求めた際に、保証人がまず主債務者への催告を求める権利です。
選択肢2「検索の抗弁権の内容」→ ✅正解(適切)
民法第453条の規定のとおりです。保証人が主債務者の資力・執行の容易さを証明した場合、まず主債務者の財産へ執行すべき旨を請求できます。
選択肢3「催告の抗弁後、債権者が怠っても保証人は全額責任」→ ❌誤り(不適切)
民法第455条の規定により、催告の抗弁権または検索の抗弁権を行使したにもかかわらず、債権者がその権利行使を怠ったために主債務者から全額回収できなかった場合、保証人は債権者が直ちに催告・執行すれば回収できたであろう限度において保証責任を免れます。保証人が全額弁済しなければならないという記述は誤りです。
選択肢4「主債務者が行方不明なら催告の抗弁権は行使できない」→ ✅正解(適切)
民法第452条ただし書きの規定のとおりです。主債務者が行方不明であるなど、主債務者が弁済能力を有しないことが明らかなとき等には、催告の抗弁権は認められません。
背景知識
催告の抗弁権と検索の抗弁権の比較
| 項目 | 催告の抗弁 | 検索の抗弁 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 民法第452条 | 民法第453条 |
| 要件 | 特になし(ただし主債務者が行方不明等を除く) | 主債務者の資力証明+執行容易の証明 |
| 連帯保証人の場合 | 行使不可 | 行使不可 |
| 行使後の債権者の懈怠 | 保証人は責任を免れる(民法第455条) | 同左 |
学習アドバイス
催告・検索の抗弁権は通常保証にのみ認められる権利です。「連帯保証人にはない」「行使後の債権者の懈怠→保証人は責任を免れる」という点を正確に押さえましょう。
まとめ
- 催告・検索の抗弁権は通常保証人のみ(連帯保証人は不可)
- 債権者が抗弁権行使後に怠った場合、保証人はその限度で責任を免れる(民法第455条)
- 主債務者の行方不明等の場合、催告の抗弁権は行使できない