【問341】貸金業務取扱主任者 練習問題|保証契約
民法・民事訴訟法 問35/114難易度C(難しい)
問題文
事業用融資に係る保証契約における公証人の関与に関する次の記述のうち、民法の規定として適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.個人が事業のために負担した貸金等債務を主債務とする保証契約(根保証を除く)を締結しようとする場合、保証人になろうとする個人は原則として、契約締結前1か月以内に公証人による保証意思の確認を受けなければならない。
- 2.保証意思宣明公正証書は、保証人になろうとする者が公証人に対して保証意思を口頭で陳述し、公証人がこれを筆記して公正証書として作成するものである。
- 3.主債務者の事業に現に従事している主債務者の配偶者は、公証人による意思確認手続なしに保証人となることができる。
- 4.公証人による意思確認手続を経ずに締結された個人保証契約は、その手続違反を主張する者が誰であるかに関係なく、当然に無効となる。
解説
正解
正解は選択肢4です。公証人の意思確認手続を経ない保証契約の効力について、選択肢4の内容は不正確です。
各選択肢の解説
選択肢1「契約締結前1か月以内に公証人の意思確認が必要」→ ✅正解(適切)
民法第465条の6第1項の規定のとおりです。事業用融資の個人保証(根保証を除く通常の保証)についても、保証人になろうとする個人は契約締結前1か月以内に公証人の面前で保証意思を表示した公正証書を作成しなければなりません。
選択肢2「保証意思宣明公正証書の作成方法」→ ✅正解(適切)
民法第465条の6第2項の規定のとおりです。保証意思宣明公正証書は、保証人になろうとする者が主債務の内容、保証債務を負担する意思を公証人に陳述し、公証人がこれを筆記して作成します。
選択肢3「主債務者の事業に従事する配偶者は例外」→ ✅正解(適切)
民法第465条の9の規定のとおりです。主債務者の事業に現に従事している主債務者の配偶者は、公証人による意思確認手続が免除される例外者に含まれます。その他、主債務者と共同して事業を行う者や取締役等の経営参加者も同様の例外です。
選択肢4「当然に無効」→ ❌誤り(不適切)
民法第465条の6及び第465条の10によれば、公証人による意思確認手続を経ずに締結された保証契約は無効ですが、「誰が主張してもよい当然の無効」ではなく、保護される保証人側からの主張によって無効を主張できるとされています。また、債権者が意思確認手続を要求しなかった場合の責任についても、単に「当然に無効」とするだけでは正確ではありません。無効主張は保証人側の権利であり、債権者側から無効を援用することはできないと解されています。
背景知識
事業用融資の保証に関する公証人関与制度(民法第465条の6〜第465条の10)
- 2020年施行の改正民法で導入
- 対象:個人が保証人となる事業用融資の保証(経営者等は除外)
- 除外例:①主債務者と共同して事業を行う者 ②主債務者の事業に現に従事している配偶者 ③取締役・執行役等
学習アドバイス
公証人関与制度は2020年改正の新設制度であり、出題頻度が高まっています。「対象となる保証」「除外される者」「手続の内容」を整理して覚えましょう。
まとめ
- 事業用融資の個人保証は原則、契約前1か月以内に公証人の意思確認が必要
- 経営者・主債務者の配偶者(事業従事者)等は例外
- 手続違反の無効は保証人側からの主張が原則