【問339】貸金業務取扱主任者 練習問題|保証契約
民法・民事訴訟法 問33/114難易度B(標準)
問題文
個人根保証契約に関する次の記述のうち、民法の規定として適切なものを1つ選びなさい。
- 1.個人根保証契約は、主債務の元本だけでなく、利息・違約金・損害賠償その他の債務を含めた極度額を定めなければ効力を生じない。
- 2.個人根保証契約の極度額の定めは、契約締結後1か月以内に書面で行えばよい。
- 3.個人根保証契約において、極度額の定めを欠く場合でも、当事者間で合理的な極度額が認定できれば有効である。
- 4.個人根保証契約の極度額は、主債務の元本の額を超えることはできない。
解説
正解
正解は選択肢1です。個人根保証契約は、主債務の元本・利息・損害賠償等を含む最高限度額(極度額)を定めなければ効力を生じません(民法第465条の2第1項・第2項)。
各選択肢の解説
選択肢1「元本・利息・損害賠償等を含む極度額が必要」→ ✅正解
民法第465条の2第1項によれば、個人根保証契約は極度額を定めなければ効力を生じません。また同条第2項によれば、書面(又は電磁的記録)でこれを定めなければなりません。この極度額はすべての債務(元本・利息・違約金・損害賠償等)の最高限度額です。
選択肢2「契約締結後1か月以内に書面で行えばよい」→ ❌誤り
極度額は契約締結時に書面(又は電磁的記録)で定めなければなりません。締結後1か月以内という猶予は民法上認められていません。後から書面を作成することは認められず、極度額の定めを欠く個人根保証契約は無効です。
選択肢3「合理的な極度額が認定できれば有効」→ ❌誤り
個人根保証契約における極度額の書面記載は効力要件(強行規定)です。裁判所が合理的な極度額を認定して有効とすることはできません。極度額の定めがなければ無効となります。
選択肢4「極度額は主債務の元本額を超えられない」→ ❌誤り
民法上、個人根保証の極度額が元本額を超えてはならないという規定はありません。極度額には利息・損害賠償等も含むため、元本額より高い極度額を設定することも可能です(ただし過大な設定は信義則上問題となる場合がある)。
背景知識
個人根保証契約の規制(民法第465条の2)
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 極度額の定め | 必須(書面又は電磁的記録) |
| 極度額の内容 | 元本・利息・違約金・損害賠償等すべて含む |
| 違反の効果 | 個人根保証契約全体が無効 |
| 適用対象 | 保証人が個人である根保証契約すべて |
2020年改正では、個人根保証規制が「貸金等根保証」から「個人根保証全般」に拡大されました。
学習アドバイス
個人根保証の極度額規制は2020年改正で拡充された重要論点です。「極度額なし→無効」という結論と、極度額が元本だけでなく利息等も含む最高限度額であることを覚えましょう。
まとめ
- 個人根保証契約は極度額を書面で定めなければ無効(民法第465条の2)
- 極度額は元本・利息・損害賠償等すべてを含む最高限度額
- 極度額の後付け・口頭での設定は不可