【問335】貸金業務取扱主任者 練習問題|消滅時効
民法・民事訴訟法 問29/114難易度A(易しい)
問題文
改正民法(2020年4月1日施行)における消滅時効期間に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 1.個人間の金銭消費貸借に基づく貸金返還請求権の消滅時効期間は、商人間の場合と異なり、依然として10年とされている。
- 2.不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年とされている。
- 3.確定判決によって確定した権利の消滅時効期間は、短期消滅時効にかかるものであっても10年とされている。
- 4.人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効期間は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年とされている。
解説
正解
正解は選択肢3です。確定判決によって確定した権利の消滅時効期間は10年とされています(民法第169条)。
各選択肢の解説
選択肢1「個人間の貸金返還請求権は依然10年」→ ❌誤り
改正民法では商事消滅時効(5年)が廃止され、債権の消滅時効は主観的起算点から5年または客観的起算点から10年に統一されました。個人間・商人間の区別はなくなっています(民法第166条第1項)。
選択肢2「不法行為の時効は知った時から3年」→ ❌誤り
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年(主観的起算点)というのは正しいですが、選択肢4との関係で不完全です。生命・身体侵害の場合は主観的起算点から5年に延長されています(民法第724条の2)。
選択肢3「確定判決で確定した権利は10年」→ ✅正解
民法第169条第1項の規定のとおりです。確定判決や裁判上の和解等によって確定した権利は、本来の消滅時効期間が短期であっても、10年の消滅時効期間となります。
選択肢4「生命・身体侵害の損害賠償は知った時から3年」→ ❌誤り
人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権の場合、主観的起算点からの時効期間は5年に延長されています(民法第724条の2)。3年という記述は誤りです。
背景知識
| 権利の種類 | 主観的起算点 | 客観的起算点 |
|---|---|---|
| 一般の債権 | 5年 | 10年 |
| 不法行為(一般) | 3年 | 20年 |
| 生命・身体侵害の不法行為 | 5年 | 20年 |
| 確定判決で確定した権利 | — | 10年 |
学習アドバイス
「確定判決→10年」「生命・身体侵害の不法行為→5年(主観的)」は改正のポイントです。一般の不法行為(3年)との違いを整理して覚えましょう。
まとめ
- 確定判決で確定した権利の時効期間は10年(民法第169条)
- 生命・身体侵害の損害賠償は主観的起算点から5年
- 商事消滅時効は廃止され一般債権と統一(5年・10年)