【問332】貸金業務取扱主任者 練習問題|消滅時効
民法・民事訴訟法 問26/114難易度B(標準)
問題文
消滅時効の援用に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.消滅時効は、その利益を受ける者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
- 2.保証人は、主債務の消滅時効を援用することができる。
- 3.物上保証人は、被担保債権の消滅時効を援用することができる。
- 4.消滅時効の利益は、時効完成前に限り、あらかじめ放棄することができる。
解説
正解
正解は選択肢4です。消滅時効の利益の事前放棄は、民法上認められていません。
各選択肢の解説
選択肢1「裁判所は援用なしに時効によって裁判できない」→ ✅正解(適切)
民法第145条の規定のとおりです。時効は当事者(援用権者)が援用しなければ、裁判所はその利益に基づいて裁判することができません。
選択肢2「保証人は主債務の消滅時効を援用できる」→ ✅正解(適切)
民法第145条は援用権者として「当事者」を挙げており、判例上、保証人は主債務の消滅時効について正当な利益を有する者として援用することができます(最判昭43・9・26等)。
選択肢3「物上保証人は被担保債権の消滅時効を援用できる」→ ✅正解(適切)
物上保証人は担保権実行によって不利益を受ける立場にあるため、被担保債権の消滅時効について「正当な利益を有する者」として援用することができます(判例・通説)。
選択肢4「時効完成前の時効利益の放棄が可能」→ ❌誤り(不適切)
民法第146条は「時効の利益は、あらかじめ放棄することができない」と規定しています。時効完成前の放棄を認めると債権者による強制が生じやすいため禁止されています。時効完成後の放棄は可能です。
背景知識
時効の援用権者(民法第145条)
- 当事者(債務者本人)
- 保証人(主債務の時効)
- 物上保証人(被担保債権の時効)
- 第三取得者(担保権が設定された不動産の取得者)
時効利益の放棄
- 時効完成前の事前放棄 → 禁止(民法第146条)
- 時効完成後の放棄 → 有効
学習アドバイス
援用権者の範囲と時効利益の放棄の可否は頻出論点です。「事前放棄禁止・事後放棄は有効」という対比を確実に押さえましょう。
まとめ
- 消滅時効は援用権者が援用して初めて効力が生じる
- 保証人・物上保証人も時効を援用できる
- 時効利益の事前放棄は禁止、事後放棄は有効