【問331】貸金業務取扱主任者 練習問題|消滅時効
民法・民事訴訟法 問25/114難易度B(標準)
問題文
貸金業者Aが個人Bに対して金銭消費貸借契約に基づく貸付けを行った場合の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らして適切なものを1つ選びなさい。
- 1.弁済期の定めがある貸付けにおける消滅時効の客観的起算点は、契約締結日の翌日である。
- 2.弁済期の定めがある貸付けにおける消滅時効の客観的起算点は、弁済期日の翌日である。
- 3.弁済期の定めがない貸付けにおいては、消滅時効は進行せず、貸金業者は何時でも返還を請求できる。
- 4.分割払いの貸付けにおいては、各割賦金の弁済期が到来するまで、当該割賦金に関する消滅時効は完成しないが、全体の貸付元本の時効期間は最初の分割払日から進行する。
解説
正解
正解は選択肢2です。弁済期の定めがある場合、権利を行使することができる時(客観的起算点)は弁済期日の翌日となります。
各選択肢の解説
選択肢1「客観的起算点は契約締結日の翌日」→ ❌誤り
弁済期の定めがある場合、貸金返還請求権を行使できるのは弁済期到来後です。契約締結日の翌日から消滅時効が進行するわけではありません。
選択肢2「客観的起算点は弁済期日の翌日」→ ✅正解
民法第166条第1項第2号の「権利を行使することができる時」は、弁済期が到来した時点です。実務上は弁済期日の翌日から消滅時効が進行します。
選択肢3「弁済期の定めがない場合、時効は進行しない」→ ❌誤り
弁済期の定めがない消費貸借では、貸主はいつでも返還を請求でき(民法第591条第1項)、この「いつでも請求できる」状態が継続するため、契約締結日から時効が進行します。時効が進行しないわけではありません。
選択肢4「分割払いの全体元本は最初の分割払日から進行」→ ❌誤り
分割払いの場合、各回の割賦金については各弁済期日の翌日が起算点となります。全体の元本が最初の分割払日から一括して進行するわけではなく、各割賦金ごとに個別に時効期間が計算されます。
背景知識
| 貸付の種類 | 客観的起算点 |
|---|---|
| 弁済期あり(一括払) | 弁済期日の翌日 |
| 弁済期なし | 契約締結日(いつでも請求可能なため) |
| 分割払い | 各回の弁済期日の翌日(割賦金ごと) |
| 期限の利益喪失特約あり | 喪失事由発生日の翌日 |
学習アドバイス
時効の起算点は「権利を行使できる時」が基本です。弁済期の有無・分割払い・期限の利益喪失など、パターンごとに起算点を整理して学習しましょう。
まとめ
- 弁済期あり→弁済期日の翌日が客観的起算点
- 弁済期なし→契約締結日から時効進行
- 分割払い→各割賦金ごとに弁済期日の翌日が起算点