【問330】貸金業務取扱主任者 練習問題|消滅時効
民法・民事訴訟法 問24/114難易度B(標準)
問題文
消滅時効の完成猶予及び更新に関する次の記述のうち、民法の規定に照らして適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.裁判上の請求がされた場合、その事由が終了するまでの間は消滅時効の完成が猶予され、確定判決等によって権利が確定した時に時効が更新される。
- 2.権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、その合意から1年を経過した時、または合意において当事者が協議を行う期間として定めた時の到来のいずれか早い時まで消滅時効の完成が猶予される。
- 3.債務の承認があった場合、その時点から消滅時効が更新され、新たな時効期間が進行を開始する。
- 4.仮差押え又は仮処分がされた場合、その事由が終了した時から6か月間は消滅時効の完成が猶予されるが、時効の更新の効力は生じない。
解説
正解
正解は選択肢2です。協議合意による完成猶予の期間の規定について、選択肢2の内容に誤りがあります。
各選択肢の解説
選択肢1「裁判上の請求→完成猶予・確定で更新」→ ✅正解(適切)
民法第147条第1項・第2項の規定のとおりです。裁判上の請求がされた場合、その事由終了まで完成猶予となり、確定判決等により権利が確定したときに時効が更新されます。
選択肢2「協議合意から1年または期間満了まで猶予」→ ❌誤り(不適切)
民法第151条によれば、協議を行う旨の合意から1年、合意で定めた協議期間の到来、または当事者いずれかが協議の続行を拒絶した通知から6か月のいずれか早い時まで完成猶予となります。「いずれか早い時」という点は正しいですが、「拒絶通知から6か月」という要件の記載が欠けており、不完全です。また合意できる期間は本来の時効完成時から最長1年に限られます。
選択肢3「債務の承認→時効更新」→ ✅正解(適切)
民法第152条第1項の規定のとおりです。債務の承認は時効の更新事由であり、承認の時点から新たな時効期間が進行します。
選択肢4「仮差押え・仮処分→6か月猶予、更新なし」→ ✅正解(適切)
民法第149条の規定のとおりです。仮差押え・仮処分は完成猶予事由のみであり、更新の効力は生じません。事由終了から6か月間、完成が猶予されます。
背景知識
| 事由 | 効果 |
|---|---|
| 裁判上の請求・支払督促等 | 完成猶予+権利確定で更新 |
| 強制執行・担保権実行等 | 完成猶予+手続終了で更新 |
| 仮差押え・仮処分 | 完成猶予のみ(6か月) |
| 催告 | 完成猶予のみ(6か月) |
| 協議合意 | 完成猶予のみ(最長1年) |
| 承認 | 更新のみ |
学習アドバイス
「完成猶予のみ」の事由と「完成猶予+更新」の事由を表で整理して覚えることが重要です。特に仮差押えは「更新なし」の点が頻出です。
まとめ
- 仮差押え・仮処分・催告は完成猶予のみ、更新効果なし
- 裁判上の請求は完成猶予後、確定で更新
- 承認は更新のみの効果