【問329】貸金業務取扱主任者 練習問題|消滅時効
民法・民事訴訟法 問23/114難易度A(易しい)
問題文
消滅時効に関する次の記述のうち、2020年(令和2年)施行の改正民法の内容として適切なものを1つ選びなさい。
- 1.金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の消滅時効期間は、商事債権であるか否かにかかわらず、原則として10年とされた。
- 2.債権の消滅時効期間は、債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年、または権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年のいずれか早い時の経過によって完成する。
- 3.消滅時効の完成猶予及び更新の制度は廃止され、時効の中断及び停止の制度に一本化された。
- 4.消滅時効の起算点は客観的起算点のみとされ、主観的起算点は採用されなかった。
解説
正解
正解は選択肢2です。2020年(令和2年)4月1日施行の改正民法では、債権の消滅時効期間について主観的起算点と客観的起算点の二重構造が採用されました。
各選択肢の解説
選択肢1「消滅時効期間は原則10年」→ ❌誤り
改正民法では、債権の消滅時効期間は主観的起算点から「5年」または客観的起算点から「10年」とされました(民法第166条第1項)。従来の短期消滅時効(1年・2年・3年)は廃止され統一されましたが、原則10年という表現は不正確です。
選択肢2「主観的起算点から5年または客観的起算点から10年」→ ✅正解
民法第166条第1項の規定のとおりです。「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年」または「権利を行使することができる時から10年」のいずれか早い時点で消滅時効が完成します。
選択肢3「完成猶予・更新の制度は廃止された」→ ❌誤り
改正民法では逆に、旧来の「中断」「停止」の用語が廃止され、「完成猶予」「更新」という概念に整理されました(民法第147条以下)。
選択肢4「主観的起算点は採用されなかった」→ ❌誤り
改正民法は主観的起算点(債権者が権利行使可能と知った時)と客観的起算点(権利行使可能時)の二重構造を採用しました。
背景知識
| 項目 | 改正前 | 改正後(2020年〜) |
|---|---|---|
| 一般債権の時効期間 | 10年 | 主観的5年・客観的10年 |
| 商事債権の時効期間 | 5年 | 廃止(一般債権と統一) |
| 時効の中断・停止 | 中断・停止 | 更新・完成猶予に変更 |
| 短期消滅時効(1〜3年) | 職種別に存在 | 廃止 |
学習アドバイス
改正民法の消滅時効は出題頻度が高いテーマです。「主観的5年・客観的10年」の二重構造と「完成猶予・更新」という新用語を確実に覚えましょう。
まとめ
- 消滅時効期間は主観的起算点から5年、客観的起算点から10年
- 商事消滅時効(5年)は廃止され一般債権と統一された
- 「中断・停止」は改正後「更新・完成猶予」に変更された