【問326】貸金業務取扱主任者 練習問題|代理権の濫用
民法・民事訴訟法 問20/114難易度C(難しい)
問題文
民法における代理権の濫用に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合、その行為は常に無効である。
- 2.代理人が自己の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合、相手方がその目的を知り又は知ることができたときは、その行為は無権代理行為とみなされる。
- 3.代理権の濫用があった場合、本人は相手方の善意・悪意にかかわらず常にその効果の帰属を否定できる。
- 4.代理権の濫用に関する規定は、法定代理には適用されない。
解説
正解
正解は選択肢2です。民法第107条により、代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合、相手方がその目的を知り又は知ることができたときは、その行為は無権代理行為とみなされます。
各選択肢の解説
選択肢1「常に無効」→ ❌
代理権の濫用があっても常に無効となるわけではありません。相手方が善意かつ無過失の場合は、有効な代理行為として本人に効果が帰属します。相手方の悪意・有過失の場合に限り無権代理とみなされます。
選択肢2「相手方の悪意・有過失→無権代理」→ ✅
民法第107条の規定どおりです。代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り又は知ることができたときは無権代理行為とみなされます。
選択肢3「善意・悪意にかかわらず否定可能」→ ❌
代理権濫用による無権代理の効果は、相手方が悪意又は有過失の場合にのみ生じます。善意無過失の相手方に対しては本人は効果の帰属を否定できません。
選択肢4「法定代理には不適用」→ ❌
民法第107条は任意代理・法定代理の区別なく適用されます。法定代理人による代理権の濫用にも適用があります。
背景知識
| 相手方の態様 | 効果 |
|---|---|
| 善意無過失 | 有効な代理行為(本人に帰属) |
| 悪意又は有過失 | 無権代理行為とみなす |
学習アドバイス
代理権の濫用は改正民法で明文化された規定です。「権限内の行為であるが目的が不正」という構造を理解し、無権代理とみなされる要件を押さえましょう。
まとめ
- 代理権の濫用は自己又は第三者の利益を図る目的で権限内の行為をすること
- 相手方の悪意・有過失の場合に無権代理行為とみなされる
- 善意無過失の相手方は保護される
- 任意代理・法定代理の双方に適用