【問323】貸金業務取扱主任者 練習問題|表見代理の成立要件
民法・民事訴訟法 問17/114難易度B(標準)
問題文
民法における表見代理に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つ選びなさい。
- 1.表見代理が成立するためには、相手方が代理権の存在を信じたことについて善意であれば足り、無過失であることは必要ない。
- 2.本人が第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した場合、その他人がその表示された代理権の範囲内の行為をしたときは、相手方が善意無過失であれば本人はその責任を負う。
- 3.代理権消滅後の表見代理は、法定代理には適用されない。
- 4.権限外の行為の表見代理が成立するためには、代理人に何らかの基本代理権があることは必要ない。
解説
正解
正解は選択肢2です。民法第109条第1項により、代理権授与の表示による表見代理の成立要件です。
各選択肢の解説
選択肢1「善意で足り無過失は不要」→ ❌
表見代理の成立には、相手方が善意かつ無過失であることが必要です。善意のみでは足りません。相手方に過失がある場合は表見代理は成立しません。
選択肢2「代理権授与表示→善意無過失の相手方→本人の責任」→ ✅
民法第109条第1項により、第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負います。ただし、相手方が代理権がないことを知り又は知ることができた場合は除きます。
選択肢3「法定代理には適用されない」→ ❌
代理権消滅後の表見代理(民法第112条)は、法定代理にも適用されます。例えば、後見人の代理権が消滅した後の行為にも適用の余地があります。
選択肢4「基本代理権は不要」→ ❌
権限外の行為の表見代理(民法第110条)が成立するためには、代理人に何らかの基本代理権が存在することが必要です。基本代理権がなければ権限踰越の前提を欠きます。
背景知識
| 表見代理の類型 | 根拠条文 | 要件 |
|---|---|---|
| 代理権授与表示 | 第109条 | 代理権授与の表示+善意無過失 |
| 権限外の行為 | 第110条 | 基本代理権+正当理由(善意無過失) |
| 代理権消滅後 | 第112条 | 代理権消滅+善意無過失 |
学習アドバイス
表見代理の3類型は試験頻出です。各類型の成立要件と、いずれも相手方の善意無過失が必要な点を押さえましょう。
まとめ
- 表見代理は3類型すべてで相手方の善意無過失が必要
- 代理権授与表示、権限外の行為、代理権消滅後の3類型
- 権限外の行為には基本代理権が必要
- 法定代理にも表見代理は適用される