【問318】貸金業務取扱主任者 練習問題|意思表示の到達主義と発信主義
民法・民事訴訟法 問12/114難易度C(難しい)
問題文
民法における意思表示の効力発生に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つ選びなさい。
- 1.隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
- 2.意思表示の到達とは、相手方が現実にその内容を了知することを要し、郵便受けに投函されただけでは到達とはいえない。
- 3.相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされる。
- 4.意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
解説
正解
正解は選択肢2です。意思表示の「到達」は相手方が現実に了知することまでは要求されず、了知し得る状態に置かれれば足ります。
各選択肢の解説
選択肢1「到達した時から効力発生」→ ✅(適切)
民法第97条第1項により、意思表示は相手方に到達した時からその効力を生じます(到達主義)。
選択肢2「現実の了知が必要」→ ❌(不適切)
判例により、意思表示の「到達」とは、相手方の了知し得る状態に置かれることで足り、相手方が現実にその内容を了知することまでは必要ありません。郵便受けへの投函も到達と認められます。
選択肢3「到達妨害→到達したものとみなす」→ ✅(適切)
民法第97条第2項により、相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます。
選択肢4「発信後の死亡等は効力を妨げない」→ ✅(適切)
民法第97条第3項により、意思表示は表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられません。
背景知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原則 | 到達主義(第97条第1項) |
| 到達の意味 | 了知し得る状態に置かれること |
| 到達妨害 | 通常到達すべき時に到達したとみなす |
| 発信後の死亡等 | 効力に影響なし |
学習アドバイス
「到達」の意味は実務上も重要です。「了知し得る状態」で足りるとする判例の立場を理解しておきましょう。
まとめ
- 意思表示は到達主義が原則
- 「到達」は了知し得る状態で足り、現実の了知は不要
- 到達妨害があれば通常到達すべき時に到達とみなす
- 発信後の表意者の死亡等は効力に影響しない